進路指導時に重視すること

2013/02/10 Sun (No.985)

 昨日に引き続いて進路指導担当教師が進路指導の際に重視していることについてのアンケート結果を載せます。出典は昨日と同じ「リクルート・キャリアガイダンス No.45」です。

進路指導時重視

 どの高校でも進学にあたっては、「学びたい学部・学科・コースがあること」を最も重視しています。全体的に見れば、次に学生の面倒見の良さ、就職の有利さと続きます。ただ大学進学率70%以上の高校では、面倒見の良さや就職の有利さよりも「教育内容のレベルが高いこと(60.3%)」や「伝統や実績があること(59.9%)」の方が重視されています。

進路指導における困難の要因

2013/02/09 Sat (No.983)

 高校生の気質、家庭の状況、校務の多忙、大学入試の形態の変化などに伴って、進路指導をめぐる状況も変わっていきます。リクルートが2012年に全日制高校4898校の進路部長におこなったアンケートの結果(有効回答1179)が送られてきました。それによれば、全体の9割の進路部長が、現在の進路指導に困難を感じています。しかしその困難の要因は、大学進学率の違いによって異なっています。下の図をご覧下さい。困難の要因の上位項目です。(出典 「『高校の進路指導・キャリア教育に関する調査』概要」 リクルート・キャリアガイダンス No.45)

 困難

 進路指導を困難としている要因の最大のものは、家計面における家庭・家族環境の悪化となっています。大学や専門学校への進学が依然として多額の費用を要するものである以上、近年の厳しい経済状況を反映しているものと思います。とくに大学進学率40-70%の中堅校では問題は深刻です。しかし、大学進学率70%以上の高校では、経済上の問題はそれほど重要ではありません。またどの高校においても、生徒の学習意欲や進路を選択し決定する能力が低下していると感じています。大学進学率の高い高校では、めまぐるしく変わる入試形態も進路指導上の困難の大きな要因となっています。

インセンティブとしての模擬授業

2012/10/07 Sun (No.857)

 昨年に引き続き2年生を対象に大学・短大・専門学校の先生をお招きして、模擬授業を行いました。模擬授業をすることのねらいは、高校の学びと大学の学びの違いを体験してもらうことです。高校の授業では、カリキュラムにしたがって、高校生として必要な知識を修得することが中心となります。大学では、高校での知識を基礎としながら、各自の興味関心にしたがって、かなり自由に科目を選択することができます。

 たとえば、「犯罪心理学」に興味があるとか、「言語と文化」に興味があるとしたら、それぞれの学部でそれぞれの勉強をすることができます。「犯罪者はなぜ犯罪現場に立ち戻るのか」とか、「ワニの動作についてスワヒリ語ではどのように区別するのか」とかだと、なかなか興味を惹くと思いませんか。「法学部」で何を学ぶかとか、「英文学科」で何を学ぶかといった学部・学科紹介とは、少し切り口が異なってきます。模擬授業は生徒たちに自らの関心に気づかせ、将来の進路を選ぶ際の参考になるだろうと考えます。もちろんたった1時間完結の授業なので、トピックをたてた興味を惹きやすい授業をお願いしています。実際はもっと退屈で根気強い努力が、学問には必要なのはいうまでもありません。

 今年は生徒たちの評価も生徒たちに対する評価もよかったように思います。最近の生徒たちはますます受身になってきています。モチベーションを高めるために多くのインセンティブを与えることは、高校の進路指導においても重要なのだろうと思います。

声優希望者に大学は必要か

2012/08/18 Sat (No.805)

 わたしたち高校のとくに進路指導の教師は、できるだけ偏差値の高い大学、すなわち国公立大学や関関同立・産近甲龍への進学を勧めてきました。しかしそのことがはたして生徒のキャリア形成の上で有用であったのか、いろいろな生徒を見るにつけ、疑問に思うこともあります。

 生徒のなかには、パティシエになりたいもの、エステティシャンになりたいもの、声優になりたいもの、ストリートパフォーマーになりたいものなど、必ずしも大学や短大に進学することを必要としない生徒もいます。それらの生徒に対しても、わたしたちは大学に進学することを強く勧めてきたのではないでしょうか。確かに高校生の判断は、即断的なものが多く、単なるあこがれで現実が見えていない場合もあります。

 とりあえず大学に進学しておけば、学歴に基づく採用拒否は回避でき、労働条件は高卒よりよくなり、給与も高くなります。大学4年間で自分について考える余裕もあるかもしれません。そして大学のなかで確かな学びと安定した就職と結びつきやすいのは、やはり有名大学です。わたしたちが有名大学を勧める理由はそこにあります。しかし、それを理由に、みずから望んで不安定な職業を求める生徒たちを大学へと誘導していないでしょうか。彼らにとっては、それは問題の先送りでしかないかもしれません。

 たとえばプロの声優として活動するためには、プロダクションに所属していなければなりません。大学をでても専門学校をでても、直ちにプロダクションに所属できるわけではなく、プロダクション付属の声優養成所のオーディションに合格してやっとその養成所の一員となれます。この段階でやっと声優の卵です。そして養成所で認められて初めてプロダクションに所属し、活動できるようになります。なかには、「預かり」や「特待生」という形で、デビューを後押しする場合もありますが、それは特別な場合です。年齢も若いほど有利だといえます。卵が孵化するのはなかなか大変なのです。ギャラも安く、不安定な職業ですが、どの高校にも声優志望の生徒は複数名存在するようです。彼らにとっては、学歴にはなりませんが、大学や専門学校に進学するより声優養成所に所属したほうが職業的には近道となります。http://seiyu2naru.com/という声優についての有用なサイトがあります。

 とはいいながら、普通の生徒が、声優になりたいといってきたら、「ほんとに覚悟はできている。もう少し考えてみたら」と言ってしまいたくなりますが。

都道府県が重点的に取り組んでいる課題

2012/04/04 Wed (No.667)

 「高等学校教育に関して、各都道府県の教育委員会が重点的に取り組んでいる課題は何か」についての回答の全国合計値です。(出典 「都道府県が重点的に取り組んでいる課題」 進路データ Vol.453 JSコーポレーション)

都道府県が取り組んでいる課題

 それによると「キャリア教育」が一番で、「基礎的学力の定着」「高校の再編・統合」とつづきます。ここには載せられていませんが、大阪の「重点的に取り組んでいる課題」が何なのか知りたいと思います。

自信を失っている高校生

2012/02/22 Wed (No.625)

 高校2年生が進路を考えるとき、「自分がどうなってしまうのか不安」に感じると答えた人が5割近くいます。終身雇用制度や年功序列制度が崩壊し、競争社会の中で自分を見失ってしまっています。自分に自信をもてず、アイデンティティをなかなか見つけにくい時代です。そのような中で進路を選択するにあたって、自分が競争社会を勝ち抜く学力があるか、はたまた何に適しているのか、何をすればよいのか悩んでいます。

 下のグラフは、進路選択についてどんなことを悩んでいるかを尋ねたものです。自信を失っている高校生の現状が見て取れます。(出典 「親と子のキャリア観」リクルート キャリアガイダンス No.40)

きがかり

進路について考えている生徒の家庭

2012/02/20 Mon (No.622)

 保護者とふだん進路について話している生徒ほど、進路選択についてよく考えていることがわかります。進路について考えている生徒の割合は、よく話す家庭で98.1%となっていますが、全く話さない家庭では50%に下がります。(出典 昨日と同じ資料)
 
進路考察

 さらに別のアンケート結果では、高校2年生の6割が保護者から進路についてアドバイスを期待しています。どうか、高校生の進路の決定の時期に保護者の皆さんは、人生の先輩としたくさんアドバイスしてあげてください。


プロフィール

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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