看護師の離職率

2012/05/25 Fri (No.719)

 幾央大学から先生をお招きして、教員対象に「看護・医療系進学ガイダンス」を行いました。幾央大学には優秀な先生方がたくさんおられますが、博学な知識には驚かされます。

 いろいろなお話をいただいたのですが、今日はすこしわき道にそれて、先生があまり触れられなかった看護師の離職率について、いただいた資料を中心に紹介したいと思います。日本看護協会によると2011年度の看護師の離職率は約11%で、リーマンショック以降は年々減少しています。しかしそのなかでも入職1年以内の離職が多いのが問題となっています。新卒看護師がぶつかる壁は、①配置部署の専門的な知識・技術が不足している。②医療事故を起こさないか心配である。③基本的な技術が身についていない。④ヒヤリハット(インシデント)レポートを書いた。だそうです。

 すなわち教育終了時点の能力と現場で求める能力とのギャップが大きく、真面目な看護師ほど悩んで離職するという矛盾が見えてきます。また病床規模が大きくなるにつれて離職率は下がっていき、入院基本料が高いほど離職率は低くなります。

人気が続く看護系進学

2012/04/16 Mon (No.679)

 今年の卒業生のうち25名が看護系の学校に進学しました。看護系の生徒はその多くが看護専門学校への進学です。看護専門学校からはおもに系列の病院に就職していきます。国立病院機構大阪医療センター付属看護学校や国立病院機構大阪南医療センター付属看護学校、あるいは赤十字病院、厚生年金病院、警察病院、大学附属の看護専門学校などでは、しっかりした教育を受けることができます。上記の専門学校出身であれば、系列病院以外でも高い評価を受けることと思います。

 先端医療を学びたいひとは、大学に進学したほうが有利といえます。循環器病センターや成人病センター、母子センターといった国公立の高度医療機関へ就職する学生もでてきます。国公立大学の医学部や看護学部の出身であれば、とりわけそのチャンスは大きいです。とはいえ、近年看護学部を新設する私立大学が増え、卒業生も出始めています。そのような大学の中でも高い就職実績をあげている大学もあります。いずれにせよ私立大学の看護学部は授業料が高いので、進学しようとする人は必ずオープンキャンパスなどで施設や教育内容を確認し、就職先を調べてみることが必要です。

 専門学校にせよ、大学にせよ、看護系は今は非常に人気が高いので、早くから勉強することが大切です。特に専門学校では浪人生や社会人の参加がない推薦入試で合格する心構えが必要です。看護系に特化した東京アカデミーの模擬試験も5月下旬に行われます。

 わたしの学校では、今年も看護系希望者が20人を越えています。

看護模試の実施

2012/02/16 Thu (No.617)

 今日は、2年生の看護希望者を対象に、校内で東京アカデミーの無料模試の一部を実施しました。本来は1月の終わりに東京アカデミー本校で受験する試験なのですが、学校でおこなう英検の実施日と重なってしまい、模試を受験することがでなかったので、別の日にずらして学校で行うことにしました。もちろん放課後だけでは時間が足りませんので、できなかった科目の模試を今週末に実施します。

 今年は、看護系の人気が高く、かなり狭き門となりました。今からでも受験できる専門学校も少しは残っていますが、10倍を超える倍率となるところがほとんどです。社会人や大学生とも競争になります。ボーダーラインに残っても面接という関門があります。

 ともかく高校生は、推薦入試で合格できるようにしておくことが一番です。そのためには学校の勉強をおろそかにせず3.5の評定平均はとれるように、また少なくとも国・数・英の3教科は手を抜かず勉強しておくことが大切です。科目をしぼるとそれだけ選択の幅が小さくなります。

 普通の4年制大学と試験内容が異なります。できるだけ早く意識づけをおこない、志望校を決めてぶれないように努力しなければなりません。そのために、看護協会の行うガイダンスへの参加や、一日看護体験、看護模試など2年生の間から準備しておくとよいでしょう。

看護専門学校の一般入試

2011/12/26 Mon (No.563)

 年が明けると、看護専門学校の一般入試が始まります。今年は少し長い正月休みを取ろうと思っていたところ、今日さっそく大学附属の看護専門学校を受験する生徒から面接練習のリクエストがありました。1月8日が試験日とのことなのでそれまでに練習するつもりです。

 看護専門学校の受験は長丁場となります。高校生にとっては推薦入試で合格しておくのが一番早道なのですが、規定の評定平均に足らなかったり、推薦入試に失敗した場合は、一般入試しかありません。3月の入試まで視野に入れる必要があります。看護専門学校でも補欠合格という制度がありますが、本当の合否は3月31日までわからないことが多いです。

 大学や短大の一般入試とは異なって、看護専門学校の入試には面接がつきものです。面接は、どうしてその学校を志望するかの志望動機、看護師になろうと思ったきっかけ、本当に看護師になりたいのか、どんな看護師になりたいのかという職業意識、などが中心となります。仕事に直結する専門学校ですから、看護師としてふさわしい人物を期待している訳です。

 もちろん、高校時代にがんばったこと、クラブ、勉強のこと、印象に残っていることなども聞かれます。それぞれの専門学校によって質問内容にも特色がありますから、過去の質問例を先輩の受験報告書などで研究しておくといいと思います。

 不況の影響で看護専門学校進学希望者は多くなり、社会人の受験も急増しています。一般入試では推薦入試以上のしっかりとした準備が必要です。

医療職の給与

2011/12/16 Fri (No.553)

 リーマンショック以降、看護師をはじめとして資格の取れる看護・医療系の学部・学科に進学を希望する生徒が増えています。先日来校された医療系大学の先生の話では、マンモグラフィー検査の普及により、とくに女性の診療放射線技師が不足しているということでした。今日は、医療系のそれぞれの職業の平均給与月額を見てみたいと思います。(出典 「医療職種 民間給与の実態 平成23年職種別民間給与実態調査の結果」人事院) 

医療系給与

 ここでいう「決まって支給する給与」とは基本給はもとより、年齢給、勤続給、地域給、寒冷地手当、能率給、家族手当、住宅手当、精勤手当、職務手当、通勤手当、役付手当、超過勤務手当、夜勤手当、休日手当等月ごとに支給されるすべての給与を含めたものをいいます。一番右欄は「決まって支給する給与」から「時間外手当」と「通勤手当」を差し引いたものです。

 平均年齢や扶養家族のあるなしによって給与は異なってきますので、単純比較はできないのですが、わたしには、診療放射線技師の給与が比較的高いように思います。

近畿看護系大学志望状況

2011/11/12 Sat (No.517)

 先日、ベネッセの「志望動向説明会」に参加してきました。9月に実施された第1回ベネッセ・駿台マーク模試によると、私立大学では語学・国際関係・教員養成・保健衛生・医・薬・理・工・農水産の分野で昨年より志望者が増加しています。

 ただ近畿地区の私立大学全体の志望者数は前年比97とやや減少しています。全国では志望者が増加している国際関係や教員養成の分野においても、前年比10%程度の減少がみられます。逆に全国以上に近畿圏で志望者が増加しているのは、保健衛生と医学です。とくに看護学は前年比124%となり、大人気となっています。

 そのため看護系志望者の平均偏差値は昨年より2.0ポイント上昇しています。志望者数はこの5年間で倍増しました。ことし看護学科が新設される大学についてのB判定基準は、仏教大学は畿央大学と同程度の偏差値、摂南大学は千里金蘭大学と同程度の偏差値となっています。中位以上の既設の看護学部(看護学科)のすべての大学で、上位者層の数が昨年と比べて1.5倍から2倍程度に増加しています。そのためチャレンジ層にとっては苦しい戦いが強いられそうです。

看護学部設立不認可

2011/09/03 Sat (No.447)

 先日「日本国際大学」設立不認可の話をしました。実は、看護学部の新設をめぐっては、過去にも同じような事件があります。新設予定の「関西科学大学」が、理事会での議事録に虚偽の記載があることを文科省に指摘され、設立申請を取り下げたというものです。2006年11月の出来事です。当時、看護学部(科)を新設する大学が多く、「関西科学大学」も「スポーツ科学部」、「看護学部」の2学部を設置する予定でした。そして、フライングといえる行為ですが、設立認可を前提として、すでに指定校推薦の募集要項を各高校に送付していたのです。それぞれの高校で合計250名を超す生徒がこの指定校推薦に応募しており、かれらの行き場所がなくなってしまいました。

 わたしは当時、別の高校につとめていましたが、11月に「関西科学大学」が開催した進学説明会に出席していました。新設の看護学部ということで興味があったからです。申請取り下げの騒動があったのはちょうどそのときです。本来ならば、学長予定者から挨拶と設立の経緯についての説明があるはずなのに、学長予定者が欠席しています。説明会というのに、話の歯切れが悪く大学のスタッフも落ち着きがありません。もちろんその場では、設立申請を取り下げることなどまったく触れられませんでした。

 さいわい、わたしの勤めていた高校からは指定校推薦応募者はいず、事なきを得ましたが、奈良県には複数名の応募者がいる高校も多かったと聞きます。大学の果たす社会的責務は大きく、設立のための書類にごまかしは許されません。「関西科学大学」の事件以来、多くの大学で学部新設に対して慎重になりました。そのようななかで、先日の「日本国際大学」の不認可事件です。日本の大学の体質は、まだまだ改善されてないのかもしれません。

 ところで「関西科学大学」とよく似た名前の大学に「関西福祉科学大学」がありますが、両者はまったく関係がないことを申し添えておきます。


プロフィール

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

ブログ内検索
カテゴリ
今まで訪問された方
最新記事
月別アーカイブ
RSSリンクの表示