卒業後3年新卒扱い

2010/09/28 Tue (No.99)

 「卒業後3年新卒扱い」という記事が、昨日の朝日新聞朝刊に載っていました。卒業後3年間は、就職に関して、新卒と同じ扱いをするというものです。日本の求人は、「新卒採用主義」のため、新卒時に採用されないと、いちじるしく就職上不利な状況におかれます。そのため、就職活動に失敗して留年する学生も増加しています。読売新聞7月6日の記事によると、立命館大学で2010年卒業予定者の21%にあたる約2100人が留年したそうです。でもこれは、本末転倒ではないでしょうか。

 就活に備えるために、大学のキャリアガイダンスはどんどん前倒しになっています。本来、大学は4年間かけて教育を行います。1年半から2年の間、一般教養を学び、その基礎の上に立って専門教育を受けるというのが本来の大学のすがたです。しかし、学生は、専門教育が始まる3年次から、インターンシップやキャリアガイダンス、企業説明会や企業訪問と学業以外のことに忙殺され、専門科目の勉強をする時間がありません。このため、大学は本来の機能を喪失してしまっています。

 大学が、研究のための機関でなはなく、「レジャーランド」化して、もう相当の年月がたちます。そして今では、「レジャーランド」では就職ができないので、就職のための「予備校」化しています。大学1年の後期からキャリアガイダンスが始まっている大学もあります。かくして、キャリアガイダンスを早くから行わなければ、就職戦線で戦えない中堅大学以下の学生と、専門教育を行ってからでも就職戦線に勝ち残れる有名大学との学生との学識の差はさらに広がっていきます。

 大学での本来の教育を終えてからでも就職活動ができるという「卒業後3年新卒扱い」のシステムに、わたしは賛成です。就職活動に妨害されることなく、高い授業料に見合った大学での教育を受ける権利を学生に保障すべきです。朝日新聞では、3年分の就職希望者が殺到し、就職がさらに狭き門になると懸念されていましたが、それは一過性のもので、やがて平準化されます。卒業年度にとらわれることなく、学識と人物で採用するというシステムを日本の企業もとるべきです。
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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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