ボストン美術館浮世絵名品展

2010/09/21 Tue (No.92)

 先日、神戸市立博物館で催されている「ボストン美術館浮世絵名品展」に行ってきました。わたしは、浮世絵はほとんど見たことがありません。今回は、「ボストン美術館」に長く保存され、今までほとんど公開されなかった作品が展示されるというので訪れました。鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽の作品を中心に18世紀の終わりに描かれた144点の作品が展示されています。

 わたしは、鑑賞眼がないからだと思いますが、美人画や役者絵はそれほど好きではありません。たとえば、大首絵を見たとき、しぐさによる情緒は伝わってくるのですが、内面からにじみ出る性格描写が弱いとおもいます。西洋絵画のポートレートには、人を射るような眼差しや、思いつめたような苦渋が伝わってくるものがあります。それらと比べて、錦絵では、表現上の制約があるからでしょうか、印象が弱く感じます。

 しかし、江戸情緒を描いた風俗画はわたしにとって、とても興味深かったです。鳥居清長の「子宝五節遊」には、子どもを中心とした節句の情景がほのぼのと描かれています。また喜多川歌麿の「大川端夕涼」からは大川端の花火と夏の風情が伝わってきてたいへん印象的でした。そのほか、「春の行楽」「唐美人宴遊の図」「大名屋敷の山東京伝」など実際を描写したものでないものがあるにせよ、当時の風俗観と歴史観が覗けて興味深く思いました。喜多川歌麿の構成力には感動しました。かれの大判錦絵5枚続の「五節句」は、正月、桃の節句、端午の節句、七夕、菊の節句(重陽)を描いているのですが、その背景が分断されることなく、次の節句へと連なっており、フェードアウト・フェードインしながら一年の連なりを感じさせるものでした。

 江戸情緒を感じることができる展覧会でした。
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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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