私立高校大増員の意味

2012/11/19 Mon (No.902)

 公立高校と私立高校の関係を少し述べてみたいと思います。

 2011年から私学無償化となり、また生徒受入比率であった公立7、私立3という枠が廃止され、多くの中学生が私立高校に進学しました。なかには募集定員の倍近くの入学者を集めた私立高校も出てきました。そのため2011年度入試において、多くの公立高校が定員割れを経験しました。

 2012年度入試では、「教育基本条例」によって、3年連続定員割れの公立高校が統廃合される可能性があったため、2011年入試で定員割れの高校を中心に募集人数をそれぞれ1学級ずつ減らしました。その結果、全体としての高校募集人数が中学卒業者数より2000人少なくなり、増員可能数という形で、私立高校にその差を吸収してもらいました。

 そして2013年度入試です。今年は、昨年と比べ中学3年生が380人増加しています。それに対して、公立高校が240人の定員増、私立高校が981人の定員増に加え増員可能数をあわせれば約3700人の募集人数増となります。私立高校と公立高校とは協同で教育にたずさわるべきだと思います。昨年は公立高校の定員減を私立高校に助けていただきました。しかし、今年、私立高校がこれほどまで募集定員を増やすなら、公立高校の教師としていささか不安を覚えます。中学3年生の増加分に対して、現在の公立、私立に在籍している生徒比率で増員するなら、私立高校の増員は140人程度が適正なように思います。 

 3700人は、公立高校11校全部の募集定員より多い人数です。公立高校前期入試受付が、私立高校の合格発表より後にあるので、私立高校に合格したものは、もはや公立高校を受験しないか、せいぜい上位の公立校前期入試にチャレンジするだけで、たいていの生徒が合格した私立高校に入学手続するのではないでしょうか。3700人を私立高校で吸収可能であれば、多くの受験生を私立高校に先取りされてしまうような予感がしてなりません。

 中学生は早く受験から解放されたいと思っています。公立高校後期入試まで残っている生徒がますます少なくなり、ますます大量の定員割れ公立高校がでるかもしれないことを深く危惧します。
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進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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