新設大学の不認可

2012/11/03 Sat (No.885)

 田中真紀子文部科学大臣が、3大学の新設申請を不認可としました。大学設置・学校法人審議会が認可している申請を覆すのは過去に事例がないということです。この3大学とは、秋田公立美術大学(短大から4年制大学へ)、札幌保健医療大学(専門学校から4年制大学へ)、岡崎女子大学(短大から4年制大学へ)の3校です。3校とも来春の開校に向けて準備をすでにすすめていました。

 大学の新設が不認可となるのは、財務内容やカリキュラム、教員構成などに問題があると審議会が判断し、不認可を答申した場合に限られてきました。たとえば、昨年は、兵庫県の日本国際大学の新設が教員の経歴記載に誤りがあるとして、認可されませんでした。しかし、今回は、審議会が大学新設基準を満たしていると判断したにもかかわらず、大臣の裁量による不認可です。

 近年、看護・医療系を中心に大学の新設や改組が相次いでいます。関西でも専門学校から大学へ移行したところも多いです。たしかに私立大学の4割が定員を充足できていない現状で、大学の質と量が問われていることは事実です。しかし、そのことと今回の不認可とは性質が異なります。適正な手続きによって申請され、審議会が認可を答申したものを、今年に限って政治的に不認可とするのは、不合理といえるでしょう。昨年ならば問題なく認可されていたであろう大学新設が、今年は認可されないというのは、運が悪かったで済まされません。現行制度で審議会が認可答申したものについて、少なくとも今年度は認可すべきです。

 開学に向けてかけてきた費用や労力が無駄になるばかりではなく、すでにやオープンキャンパス等に参加し、進学を希望していた高校生にとっても進路変更を迫られるなど問題は大きいといえます。
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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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