教師と保護者との信頼

2012/10/30 Tue (No.881)

 10月27日づけ朝日新聞朝刊に、「通知表、保護者が事前点検」という記事が載っていました。それによると「横浜市教委が、通知表を児童・生徒に渡す前に、保護者らに内容を確認させるよう、学校に指示していた」というものです。

 通知表は、児童・生徒の学習や活動の評価を記したもので、事前に保護者に確認を求める性質のものではありません。もし、事前の確認が必要であるのなら、それは評価ではなく、事前相談の意味を帯びてきます。実際に、都筑区の中学では、終業式1週間前に「通知表のコピーを生徒に配ったところ保護者から『成績が低すぎる』といった苦情が40件以上相次いだ」とのことです。

 市教委はこの事前点検を通知表の記載ミス防止のためとして、必ず行うよう指示しているとのことですが、事前確認をしたにもかかわらず、ミスがあったケースもあるそうです。「港北区の小学校校長は『成績表は信用ならないと言っているようで抵抗がある』」と述べています。

 中学生とその保護者にとって、高校進学のための重要な指標である「成績」ですが、評価が公平で透明であるべきことはもちろんとしても、評価権は教師にあるのであって、保護者の側にあるわけではありません。記載ミスを防ぐというより、先の校長の述べているように、評価の信憑性を疑うかのような今回の事前点検は、明らかに教育への信頼をおとしめるような結果を生むと思います。

 大阪でも教育をとりまく環境が激変しており、教育に対する不信に基づくと思われるような条例も施行されています。しかしながら、お互いのミスをあげつらいながら、戦々恐々として教育をおこなうより、多少のミスは許しあい、お互いに信頼しあって教育をおこなうほうがはるかに効果は大きいのです。教育は教育のプロを信頼して、教師と保護者とが協同で生徒を育てるWINWINの関係の構築が成功を導く鍵だと思います。
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進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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