自宅採点は許されないのか

2012/10/21 Sun (No.872)

 昨日の朝日新聞の夕刊に「教頭に体当たり、傷害容疑で逮捕」という見出しで、神戸の男性高校教師が逮捕された事件が載っていました。新聞によると、事件の概要は、この男性教諭が自宅で採点しようと3クラス分100人分の答案を持って帰ろうとしたところ、教頭が止めに入ったので、教頭に体当たりして全治1週間のけがを負わせた、というものです。

 高校では、個人情報の校外持ち出しは原則禁止されています。したがって、答案を持ち帰って採点することはできません。教頭の制止を聞かず傷害を負わせたことに、弁明の余地はありませんが、詳しい事情がわからないにせよ、答案を持ち帰ろうとした行為については、同情の念を禁じえません。

 一般的に高校教師は、5クラスから8クラスの授業を担当しています。採点するべき答案だけで200枚から300枚、それを次の授業までに採点して、生徒に返却し、採点ミスを訂正します。試験最終日に持ち科目のテストが実施されると、まさに採点は非常にシビアな作業となります。とくに採点に時間のかかる国語や英語ではなおさらです。

 試験最終日からは、クラブ活動が始まります。翌日からは平常授業です。クラスの雑用や会議などによって、採点に割く時間もなく夕方となります。小さい子どもがいたり、老親の介護が必要であったりすると、遅くまで学校で採点することはできません。

 このような場合に、完全に時間外労働となりますが、答案を家に持ち帰って、夕食後9時か10時から採点に専念したいというのは、当然のことだと思います。とにかく、採点のタイムリミットがあるのです。採点そのものは、学校でしかできない性質の作業ではありません。答案の持ち帰りを許さないというのであれば、就業時間中に採点を終えることのできる環境を整えてほしいというのが、多くの教師の切なる願いだと思います。
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コメント

Secret

次の授業までに返却しなくても良いのではないでしょうか?
早いのは良い事だと思いますが答案持ち帰りを良い事だと思えません。
民間企業でもありますが明らかに組織的な業務効率を低下させる悪い事だと言う認識があります。
忙しいからOKと言うのは教育現場の甘えに繋がります。
教員個々には事情がありますので、その事情を鑑みて在宅超勤を認める制度など必要かもしれませんね。
私は教頭が正しいと思います。


プロフィール

進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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