校務の継承

2012/09/02 Sun (No.820)

 どこの府立高校でも教師の高齢化が進み、数年先には各校務分掌(進路指導部や生活指導部などのこと)の部長クラスがそっくりいなくなります。わたしの高校でも、ここ3年間で約20人の教師が定年を迎えます。

 このようななか、校務の継承が難しくなってきています。教師の人事異動のサイクルが短くなり、古い教師も現任校勤務4年で人事異動の対象となります。新任教師は原則4年で転勤です。10年経つとほとんどの教師が元の学校には勤務していません。

 現在さまざまな府立高校が存在します。多様化した府立高校の間には、カリキュラム、進学実績、授業態度、補導件数、学校行事等において、大きな差異があります。また校風、文化も違えば、分掌構成そのものも違ってきます。新たな高校に赴任すると、ほぼ、一から出発することになります。

 今、校務の中心を担っているのは50歳台の教諭です。30歳台、40歳台の教諭は少ないばかりでなく、異動の対象となりやすいのです。わたしの高校の進路指導部も老朽化を迎えています。早く中堅ないし若手に仕事を伝えて行きたいのですが、その中堅や若手は、担任としてクラスの仕事に忙殺され、進路指導室での常駐はほぼ不可能で、進路の仕事の全体像についてのノウハウを伝承する機会がないのです。また担任外の若手の先生が、たまたま進路に所属していても、担任になったとたん、学年の生活指導の中心としてスカウトされていきます。

 進路指導部の仕事は、就職指導や統計処理など専門的知識が必要なものも多く、その時々で何が必要とされるのかが分かっていなければなりません。進学指導でもそれぞれの大学の特徴、入試の方式、めまぐるしく変化する入試状況を、必要な程度には捕捉していなければなりません。知識の伝承が必要です。

 それよりももっと大切なことは、将来的なパースペクティヴをもって、どの学年の、どの時期に、どのような刺激を与えると生徒が伸びていくのか、学習意欲と学習習慣を高めるためには何をすればよいのかを考え、試行錯誤を繰り返しながら、生徒を支援していくことです。それを一緒に考えてくれる若い教師を探しています。

 わたしたちの時間は限られています。優秀な若者が大阪の教育を担ってほしいと切に願います。しかし、優秀な若者に対して、大阪で教師となることを勧めたくない状況になってきています。
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改革に対して否定的で代替案も出すことなくただ反対や言い訳、責任転嫁ばかりしている腐りきった組織に誰が望んで飛び込んでこようとするだろうか。


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進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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