公設民営大学の公立大学化

2012/07/22 Sun (No.778)

 昨日お話したとおり、公立大学数はこの10年間で漸増しています。最近の増加原因は公設民営大学の公立大学化にあります。

 公設民営大学というのは、その名のとおり、地方公共団体が大学の土地と建物を提供し、民間の学校法人が大学の経営をおこなうものです。1980年代のなかば、18歳人口が増加するなか、地域活性化をめざして地方都市に大学を設置しようとする地方公共団体と少ない費用で大学を新設したい学校法人との思惑が一致して、それ以後多くの公設民営大学が設立されていきます。近畿圏でいえば、姫路獨協大学は初期に設立された公設民営大学です。

 ところが18歳人口の急減期に入り、地方の小規模大学に学生が集まらなくなると、多くの公設民営大学は苦境に立つようになります。募集定員を充足することが困難になってきたのです。このようななか、公立大学が公立大学法人化したのをきっかけに、私立の大学法人から公立大学法人化をめざす公設民営大学が現れます。その先駆けが2009年に公立大学となった高知工科大学です。2010年には名桜大学、静岡文化芸術大学がそれに続きます。この2010年には公立短大を母体に新見公立大学も設立されています。こうして2010年に95校となった公立大学も、2012年の春、公設民営大学であった鳥取環境大学が96番目の公立大学として出発しました。

 私立大学の工学系、看護系、芸術系では、文系と比較して授業料は高くなっています。公設民営大学が公立大学となると、授業料は公立大学並みに引き下げられます。その結果、多くの受験生を集めることができるようになります。学生の充足が困難であった地方の公設民営大学も公立大学法人となって息を吹き返すのです。
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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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