理工系は就職に有利というのは本当か

2012/07/07 Sat (No.763)

 近年文低理高といわれ、理工系の学部の人気が高まっています。しかし高校生の間で数学離れが進んでいるため、数3・数Cを勉強して理工系学部を受験できる生徒が減少しており、理高といわれながら競争率や合格平均点は文系より低くなっていることが多いようです。

 2012年の学部卒で就職を希望した学生の就職率については、理工系94.6%、文系93.3%と理工系の方が文系より1.3%とわずかに上回っています(「大学等卒業者の就職状況」文科省)。この数字は卒業時点まで就職活動をしたものの就職率です。ただし、文系の学生の多くが学部卒で就職するのに対し、理工系の学生の多くは大学院に進学します。したがって学部卒業者に対する就職者の割合では、文系が約7割なのに対し、理工系では約4割から5割となっています。

 下のグラフをご覧ください。(出典 「大学Times」Vol.5大学情報センター )。それぞれの学部系での卒業生の就職率と進学率を表したものです。さて、進学率と就職率をあわせた進路決定率では、社会科学系学部で72.1%、理学系で84.1%、工学系で87.2%となり、理工系の方が文系を大きく上回っています。

進学率


 ところで大学院に進学した者が大学院博士課程前期(修士)や後期(博士)を終了した時点で、どれくらい就職できたのかの就職率もみておかなければなりません。大学院に行ったものの就職できなかったでは困るからです。大学院卒の就職率は、博士課程前期・後期修了者のうち、社会科学系の大学院では58.7%、理学系の大学院では86.5%、工学系の大学院では91.1%となっています。もちろんすべてが研究者となるわけではありません。

 院卒の就職率を大学院進学率と掛け合わせて、学部卒での就職率と合算すると、大学のそれぞれの学部系統に進学した者の最終的な就職率を求めることができます。(進学率等のデータはわたしのブログ「みんなの進路指導室」 2011年9月12日および9月14日の記事を参考)

 こうして求めた最終的な就職率は、社会科学系で70.5%、理学系で78.1%、工学系で82.8%となります。やはり最終的な就職においては理工系が有利であることは間違いないでしょう。これには、理工系の学生には国公立大学生の割合が高いという学力面も影響していると思います。
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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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