使い捨てられる若者とは

2012/05/22 Tue (No.716)

 佛教大学に原清治という教育学部長がいます。多くの学生たちに聞き取りを行って学習環境や教育の質について研究している教育社会学者です。先日進路指導の研究会での講演を聞きました。「使い捨てられる若者たち」の特徴として、自分の進んでいく道を見つけられず、自身を失い、仲間内での人間関係にのみ腐心し、問題解決能力が低いというようなことをおっしゃっていました。これは何も低学力層にのみ見られる現象ではなく、高学力層の低位のグループに顕著にみられる現象だといいます。それまで学力が高く自信を持っていた若者が、高学力の高校や大学に入って自分より能力の高い生徒や学生に囲まれるなか、だんだんと自信をなくして縮こまっていくわけです。もともと自信を持っていただけにその挫折は大きいといえます。

 そのような中で必要とされるものは、多面的複眼的思考力や他者とのかかわりの中で自己を表現していく力だといいます。わたしはこれらの能力はことさらに学力の高い層に必要なものに思えます。そして高校から大学への接続にあたっては、選択の可能性を残しておくために知識の絞込みをしない、すなわち受験のために科目を限定してしまわない、また自己を語る場を作る、安直な進路決定を避けるために適性検査などを利用して自己の適性を把握しておくことなどをあげています。

 わたしはまだ著書を読んでいないので詳しくは語れないのですが、興味のある問題なので、近日中にでも『「使い捨てられる若者たち」は格差社会の象徴か』を読んでみたいと思います。
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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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