奨学金滞納1万人

2012/03/17 Sat (No.649)

 今朝の朝日新聞朝刊の第一面に「奨学金滞納1万人」という記事が載っていました。日本学生支援機構の奨学金を滞納したため信用情報機関に情報が提供され、ブラックリストに載ったものが1万人を超えたということです。

 大学・短大への進学率が上昇し、企業が求人を高校から大学へとシフトした結果、大学を出ていないとまともな就職がないという状況になってきていました。リーマンショック以降は、大学を出ていてもまともな就職がない状態です。このような中でも大学進学率は漸増しています。

 私立文系で1年間の学費が約100万円、私立理系で1年間の学費が約150万円。これだけの金額を、捻出できる家庭がはたしてどれだけあるでしょうか。そのような時の頼みの綱が日本学生支援機構の奨学金です。最高貸与月額12万円で年3%未満(現在1.5%前後)の有利子の奨学金がほぼ無審査で貸与されます。普通のローンを申し込んだ時には厳しい審査がありますが、奨学金には厳しい審査はありません。そのため非常に手軽に奨学金という名前のローンを申し込んでしまいます。住宅ローンや車のローンであれば、少なくとも住宅や車といった担保になる物件が残ります。しかし、奨学金は将来されるであろう返還という担保のないものに貸し付けているのです。人生のスタートにあたって負債を背負って出発することになります。

 貸出額の膨張は、借りる側の需要に起因するだけではありません。少子化によって学生を集められなくなった大学にとっても、奨学金は学生を大学につなぎ止めておくための資金源なのです。奨学金制度がなくなれば、淘汰される大学が少なからずでてきます。

 2000年度には4000億円程度だった貸出額が、2010年には1兆円を超え、大学独自の奨学金も合わせると50%以上の学生が奨学金を利用しています。奨学金制度は、金銭的な理由によって就学できない学生を救済する優れた手段です。しかし、給付制度の導入や返済免除事由の拡充、あるいは成績面での審査や返済できない場合の信用保証制度など奨学金制度において改革していくところは多いように思います。
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コメント

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願書の時に、合否を通知しないと選択したんですが、もし不合格だったとき、不合格の写しみたいなのって必要なのでしょうか?


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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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