「落ちこぼれゼロ」法と大阪の教育

2012/03/04 Sun (No.636)

 「学力アップにノルマを課し、果たせない学校は退場させる。具体的には小3~中2に毎年英語と数学のテストを受験させ、各学校は、12年後に『良』をとる生徒が100%になるように目標を設定。2年連続で目標に失敗すれば、保護者は子どもを転校させることができる。4年間連続で失敗なら教職員総入れ替え。5年連続なら、閉校か民間委託。だめな学校は淘汰され、、落ちこぼれはいなくなる(出典 朝日新聞3月4日 朝刊)」。10年前にアメリカで導入された「落ちこぼれゼロ」法です。「落ちこぼれゼロ」法の結果、落ちこぼれはなくなるはずであったのに、依然として低学力層は取り残され、公立学校はつぎつぎと閉校になっていきます。「ニューヨーク市内の1750校の公立小中高校のうち150校が閉校になり、市内の教職員の4分の3にあたる6万6千人が、定年に加え、強制的な配置転換や激務によるうつなどで退職(出典 同上)」。教師たちは追い立てられ、疲れ切っている状態です。

 ニューヨーク市立大学のダイアン・ラピッチ教授は「格差を是正するには、予算をかけて教員を増やし、きめ細かい多様な教育をする以外にない。『競争による学校や教員の淘汰は行き詰まる。それがアメリカの教訓です』(出典 同上)」と述べていすます。

 実は同じようなことが大阪で起きようとしています。学力テストによって競わせることによってすべての生徒の学力が向上するわけではありません。優秀な学力を持つものにとっては競争はモチベーションの一つになるかも知れませんが、低学力層によっては、常に敗北感を味わう要因となり、自信を失い勉強から逃げてしまいたいと思うようになります。そのような低学力層の学力を向上させるためには、つまづいたところまで立ち戻って丁寧に教育していく以外にありません。そのためには、予算と優秀な多くの教師が必要です。大阪で行われようとしていることは、まさにアメリカでの失敗の後追いのように思えます。

 アメリカと大阪の教育改革の比較の表を朝日新聞の記事から引用して載せておきます。(出典 同上)

おちこぼれゼロ
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コメント

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落ちこぼれゼロ法

ご指摘ありがとうございます。
今はその暇がありませんが、一度文献にあたって
NCLB法がどのような効果を及ぼしたのか調べてみたいと思います。

アメリカの落ちこぼれゼロ法は別に失敗していません。むしろ学力の向上という意味では成功と言えるかもしれません。
詳しくは↓
http://ameblo.jp/terada1963/entry-11193112575.html#main
だいたい一大学教授の根拠のない意見を引用して失敗だと批判するのはおかしい。

だったらどうすればいいと思います?
今のままでいいと思ってるんですか?

日の丸君が代を否定する教師を処分さえできない府市教委。
一般社会のルールと教育者のルールは別のものと勘違いしている人たち。
保護者はホントに怒っていると何故気付かない。


プロフィール

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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