大阪府から教師が逃げる

2012/02/11 Sat (No.612)

 近隣4府県と比べて、大阪府ほど高校教員採用試験に合格しやすいところはありません。魅力がないので、優秀な学生は高校教諭になりたがらないのです。下のグラフをご覧ください。2012年度採用の高校教諭採用試験の倍率です。大都市圏である大阪が国語・数学・英語のいずれの高校教諭の採用試験においても一番人気がないのです。(参考「教員採用試験結果」東京アカデミー)

採用試験倍率

 給与がどんどん下がっているからだけではありません。ある首長によって「クソ」呼ばわりされ、まるで非行集団のように軽蔑され、それが一般に喧伝され、精神的にも大きなダメージを受けているのです。もちろんわたしの周りにも「これはちょっと」と思われる教師もいます。それはどこの世界でもいえることで、そのことによってすべての教師がダメとは限らないのです。一般的にいって教師集団には能力の高いまじめに努力する人のほうが多いといえます。しかし今はその人たちも萎縮し始めています。

 昨日の朝日新聞に2012年度採用の大阪府の教員合格者の辞退率が過去最高になったという記事が出ていました。(出典 朝日新聞2月10日朝刊)。

辞退率

 実に合格者の12.4%が公立学校の教員になることを辞退したのです。その理由は「他府県や私学の教員に採用」されたからというのが、57.4%と一番多く、辞退した人たちは、大阪の公立学校には勤務したくないと考えているわけです。採用試験は8月にあり、その時期に「教育基本条例」か公表されています。

 大阪府で教員になろうとする人が少なくなれば、それだけ教師の質は低下します。優秀な教育をしようとすれば優秀な教員が必要です。教育に携わろうとする者のモチベーションを下げるような政策は、やがては大阪府の教育を劣悪なものにしていきます。フィンランドのように、教員を大切にする政策こそ必要なのではないでしょうか。
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進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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