知事の「品格」

2011/11/25 Fri (No.530)

 企業のトップたるものは、部下に罵詈雑言を浴びせたり組織の調和を乱したりすることはないはずだと思います。しかし、大阪府のトップであった橋下前知事には、「品格のない」言動が目について仕方がありませんでした。かつての「商工ローン」の顧問弁護士であった時や「行列のできる法律相談所」のコメンテーターであった時ならいざ知らず、大阪府の首長としてはどうかと思います。

 わたしが、生徒の小論文や志望動機をチェックする時、「200%」や「2万%」などの表現が使ってあれば、そのような実際に存在しない値は使用しないように注意します。センセーショナルな表現で、理論的ではなく感情に訴えかけるものだからです。人のいないところでも「クソ」面接委員とは決していわないように指導します。言葉は人格を表します。「クソ」「クソ」を連発し、けんか腰で迫るのは、きっとその人に人格が備わっていないからでしょう。

 スケープゴートを見つけ出して「ヒール役」にして徹底的に痛めつける。戦後の日本人が「力道山」の活躍に目を奪われたように、多くの人々にとっては気分爽快です。現在の「ヒール役」が公務員であり、教育委員会であり、教員なのでしょう。しかし、これはたいへん危険な考えだと思います。populismというより、sensationalism。自分に従わないため、橋下前知事によって「ヒール」とされた教員は、たとえ優秀な教員でも、社会から、そして保護者や生徒たちから「ネガティブ」なイメージで見られがちです。

 知事だって「クソ」扱いするのですから、生徒や保護者が「クソ」扱いしたところで誰もそれを非難できません。学校や教員に対するいわれのない誹謗中傷も増えました。このことによって多くの教員が傷つきました。生徒と保護者と教員の信頼関係が大切な教育の根幹をないがしろにする前知事の言動といわざるをえません。これでは、前知事の思惑どおり、大阪の教育は荒廃していきます。
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進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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