大阪府公立高校定員減の理由

2011/11/20 Sun (No.525)

 大阪府で公立高校と私立高校の定員比が7:3と決まっていたころは、中学卒業者数をもとに府立高校の定員をより簡単に決定することができました。しかし、前知事によって 7:3の枠がはずされ、公立高校より先に入試のある私立高校に何割の生徒が入学するかを予測できない時代になりました。

 学校評議会でのある中学校校長の話によると、今年の入試では併願予定の生徒が、私立高校合格後公立高校を受験しないというケースが数多くあったということです。誰でも早く入試を終えたい。まして私立も無償であれば先に合格したほうで妥協するという心情です。こうして大量の定員割れの公立高校が生じました。

 公立高校も本来なら多くの生徒を引き受けたいはずです。わたしなら多くの生徒に公立高校の良さを知ってもらいたいです。しかし、一度定員割れを起こすと生徒の気質、自尊心などが非常に低下します。定員割れを契機として凋落していった高校をいくつも見てきました。ですから高校としてはなんとしても定員割れを避けたいのです。さらに追い討ちをかけるように3年連続定員割れは統廃合の対象です。そのことが今回の公立高校定員減を招きました。

 橋下前知事の肝いりで今年から新設された文理学科を擁する高校は安泰です。いくらでも生徒を集めることができます。それに反して、中低位校では授業や生徒指導にかける準備を犠牲にしてでも、定員を充足するために走り回らなければなりません。高校の二極分化です。高校の主役は生徒です。生徒一人ひとりの潜在的な能力を昨日より今日、今日より明日と伸ばしていくことが大事です。そのことにこそわたしたち教師は注力すべきです。コマーシャルや競争が大事なのではありません。

 今回の定員削減で一番被害をこうむるのは中学3年生のはずです。その3年生に迷惑を与える結果となってしまいましたが、公立高校の定員削減の実情を知ってもらいたいと思いあえて書くことにしました。
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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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