表計算ソフトのない時代

2011/08/14 Sun (No.427)

 エクセルは非常に優れた表計算ソフトです。かつてMS-DOSの時代にはアシストカルクやロータス123という表計算ソフトがありました。しかしOSとしてWindowsが圧倒的シェアを獲得していくなか、どちらもいつの間にか使われなくなっていきました。

 もっと昔の話をしましょう。わたしがコンピュータを使い始めた頃には、今のような表計算ソフトはありません。学校に備え付けられたパソコンといえば、16ビットのPC9801。値段も30万円近くしていました。1980年代の初め、わたしは自分用に富士通から新しく安価で販売されたFM-7を購入しました。CPUは6809、8ビットのパソコンです。

 コンピュータはソフトがなければただの箱です。当時のパソコンには、BASICというプログラム言語が付属していました。ですから計算ソフトはBASICの参考書や文法書を見ながら自分で作るのです。FM-7では、F-BASICというプログラム言語を使います。おなじBASICでもメーカーによって少しずつ違いがあり、F-BASICのプログラムは、学校のNECのコンピュータでは作動しません。NECはN88-BASICを使っているのです。ですから、自分で作ったプログラムは、自分の機械でしか動かず、結局FM-7やプリンタやディスプレイを学校に持ち込んで作業することになります。

 はじめに購入したFM-7にはFDDは付属しておらず、データの受け渡しは、テープを通じて行います。プログラムやデータを専用のカセットレコーダーに録音・再生するのです。再生されるピーギャーという音を懐かしく思います。しかし、テープのデータがうまくパソコンのメモリーに展開されず、なんどDevice I/O Errorになかされたことか。3.5インチのFDDを使用できるようになったときには、本当に助かりました。

 テープでのデータは、ちょうどVHSテープのように先頭から順番に場面を再生していきます。これだと必要なデータが一番後ろにある場合、最後まで再生しないと取り出せません。このようなファイルをシーケンシャルファイルといいます。これに対して、FDやDVDでは、データがどこにあってもレコード番号によって任意に取り出すことができます。このようなファイルをランダムアクセスファイルといいます。当時のパソコンでは、メモリーがほとんどないので、たとえば500 人の実力テストの成績のすべてのデータをメモリー上に展開することができません。そこでFDに書き込んだデータの一部を少しずつパソコンに取り込んで作業していくのです。そのときに、ランダムアクセスできないと話になりません。

 BASICでは、一文字間違えただけでも動作しません。コロンとセミコロンをうち間違えただけでもう動作しないのです。何百行にも及ぶプログラムを一行一行チェックしていきます。根気の要る作業ですが、若いこともあって、プログラムが印字された10インチ幅のトラクターフィード用紙を机の上に広げて何時間も格闘しました。
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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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