フリーターと賃金

2010/08/03 Tue (No.39)

 高卒用求人票に自分の希望する就職先をみつけられなかったり、就活の厳しさに途中でドロップアウトしたりして、卒業後、フリーターとなる生徒がいます。また、勉強にあまり興味がなく、アルバイトで、そこそこの給料をもらい、そのままずるずるとフリーターとなる生徒もいます。

 昔のフリーターは、ミージシャンやアニメーターなど「夢追い業」でした。売れることによって世間に認められ、それで生活ができるようになるまで、コンビニや居酒屋でアルバイトして食いつなぐのです。

 今のフリーターは、「なんとなくフリーター」です。居心地がいいのです。高校を卒業して正社員として、企業に採用された場合、手取りは13~14万円です。残業もあるし、毎日働かなければなりません。責任もあります。自分の都合で仕事時間をシフトさせることはできません。しかし、フリーターは違います。一時間900円の時給で、一日6時間、月に25日働いたとします。それで一月あたりの収入は13万5千円。事前に連絡すれば、仕事時間の融通もききます。親元で生活しているなら、なんとも魅力的でありませんか。

 しかし、フリーターは若いあいだが花です。店にとっても、20歳前後の若くてはつらつとした人材を安く雇えるとしたら、大歓迎です。しかし、10年間はたらき続けられるでしょうか。10年たてば若さも色あせ始めます。マクドナルドのカウンターに、30歳を越えた女性を見たことがありません。つぎつぎと新しいフリーターが供給されるのです。

 生涯賃金で比べると、一番みじめなのは、フリーターです。UFJ総合研究所の統計資料では、フリーターの年収は105万円となっています。また厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、正規雇用者の平均生涯賃金が2億791万円なのにたいして、フリーターなどパート労働者の平均生涯賃金は4637万円であり、その差は1.6億円に上ります。若いときはフリーターと正規労働者との賃金格差は大きくなくても、結婚をし子どもを育てる年代になると格差が大きくなってくるのです。

 いま、若者の5人に1人がフリーターといわれる時代です。キャリアについてしっかりしたかんがえ方を高校時代に身に付けさせていきたいと思っています。
関連記事

コメント

Secret



プロフィール

進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

ブログ内検索
カテゴリ
今まで訪問された方
最新記事
月別アーカイブ
RSSリンクの表示