長年の努力が水泡に帰す

2011/06/06 Mon (No.356)

 大阪府では、今年から、トップ10校に文理学科を新設し前期入試で大阪府全域から優秀な生徒を募集したのに対して、普通科総合選択制の入試を後期入試に移行し、その結果ほとんどの総合選択制の高校で定員割れとなる事態が起こりました。

 普通科総合選択制の高校では、生徒の進路に対応していろいろなエリアを設定し、また自由選択の科目も多く取りそろえています。そして、それらのコースに興味のある生徒が、前期入試で受験し入学していました。開講科目が多いため、総合選択制の教師は、持ち科目も持ち時間も多く、忙しい毎日を送っています。そういうなかで、多様な生徒に対して補習や講習をおこない、前期入試で合格した生徒がひとりでも多く希望する進路にすすめるように努力してきたのです。その結果、進学実績があがり、地域での安定した評価を得ることができる高校が増えてきました。何年にもわたる辛抱強い教科指導や進学指導の成果がようやく現れてきたのです。

 それを、とつぜん知事の一声、上からの改革です。後期入試に移行すれば、地域の上位校と競争になります。また今年は私学無償化で、私立高校に進学する生徒も数多くいました。これでは、普通科総合選択制の特色を生かし切ることができません。普通科総合選択制の先生は、割り切れない思いだったと思います。ここまで努力してきた高校を、どうして一瞬のうちに見捨てるような政策をとることができるのか。わたしには理解できません。

 このままでは、高校の二極化がさらに進み、底辺とされた学校の荒廃はますますひどくなるだろうと予測されます。
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進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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