無理して高校にはいると

2011/03/23 Wed (No.280)

 定員割れの学校では、どんな不都合が起こるのでしょうか。すべての受験生が合格できるので別に問題がないように思われます。保護者は、空きがあれば、できるだけ偏差値の高い高校に自分の子どもを入学させたいと考えるのは当然です。そのため、志願者中間発表で定員が割れそうな高校のうち、たとえ、入学後勉強について行けなくなりそうだとしても、一番レベルの高い高校に出願しようと思います。そして出願しさえすれば、合格します。

 生徒は、親の思いとは別に、自分の実力がわかっています。勉強が嫌いな生徒が、急に勉強好きになるはずがないので、友達も多い自分のレベルにあった学校に行こうと考えています。しかし、親の願いに負けて高いレベルの高校に願書を出すかも知れません。

 このような生徒が、レベルのあわない高校に進学したらどのような事態が待ち受けているのでしょうか。3月の合格者登校のさいに春休みの宿題を渡されます。宿題は、その高校の標準的なレベルの受験者に合わせて作られているので、難しくて手が出ません。入学式が終わるとすぐ宿題テストです。自分の隣の席に座っている生徒ができているのに自分にはさっぱりわかりません。最初に挫折感を味わう瞬間です。高校では、授業中も静かです。中学校の時のようにふざけることはできません。また中学校にはいろいろな生徒がいたので、自分もその中に居場所を見つけることができたのですが、同じような学力をもつ生徒が集まっている高校では、居場所を見つけることが困難です。だんだんと授業がわからなくなり、投げやりになってきます。担任は個人懇談をおこなったり、学習指導をおこなったりするのですが、生徒のほうがあきらめてしまうことも多いです。友達と同じ高校にしておけば、一緒に遊び回ってるのになあと思っても、あとの祭りです。がんばる習慣がついてないので、なかなかがんばれません。中間テスト、期末テストと進むにつれて、ほかの生徒との学力差は開いてきます。欠点者にはもちろん個別指導をおこなうのですが、本人のやる気がなければ、身に付きません。

 本人にとっても高校にとっても、残念な事態です。高校は単位を修得できなければ、留年となります。留年する生徒で、翌年も同じ高校で続けようとするものの割合は多くありません。最悪の場合は、挫折感だけを味わって転学していくこととなります。

 もちろんすべての生徒が、このような経過をたどる訳ではありません。高校で人が変わったように努力して、優秀な成績を修める生徒もいます。低学力ながらも何とか必死について行こうとし、すくなくともノートや提出物をきちんと仕上げて、平常点を積み重ねて及第していく生徒もいます。また部活動に居場所を見いだし、遅くまで学校で活動している生徒もいます。
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進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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