応募前職場見学

2010/07/22 Thu (No.27)

 求人票があらかた出そろうと、今度は、応募前職場見学の始まりです。応募前職場見学というのは、求人に応募する前に、事業所を訪問して、仕事の内容や職場の雰囲気を体験する機会のことです。応募前職場見学が可能な事業所は、求人票にその旨が記載されています。ほとんどの事業所が応募前職場見学を受け付けています。見学には、生徒に付き添う形で、教師も原則として同伴します。訪問した生徒に対して、事前選考につながるような質問を、事業所側からすることは禁じられています。また、生徒は、訪問した企業を必ずしも受験する義務はありません。今から6年前に、この応募前職場見学の制度が始まりました。

 皆さんは、七五三をご存知ですか。11月に行われる子どもの通過儀礼ではなく、学歴別離職率のことをいいます。すなわち、中卒の離職率は7割、高卒の離職率は5割、大卒の離職率は3割である、というのを、いいあらわしています。そして、少しでも、求職者と事業所とのミスマッチを少なくしようと、この制度か生まれました。

 応募前職場見学の制度が生まれる前は、企業訪問は担当の教師によって行われるだけで、就職希望の高校生は、一度も将来働くべき職場を見学することなく、求人票と就職担当の教師のアドバイスとだけに従って、受験する企業を決めていました。企業と高校とのパイプが太く、毎年同じところに就職ができていた時代は、それでもそんなに問題が生じなかったといえます。しかし、不況になり、求人数が急減してくると、どうしても公開求人やWEB求人を利用せざるをえません。そうすると、就職の担当教師も、企業訪問したことがなく、よく知らない企業に、生徒が応募する機会が必然的に増えてきます。

 実は、生徒も、当然のことですが、受験する企業についてもっとよく知りたいのです。そこで、応募前職場見学の出番となるのです。私は、この応募前職場見学の制度を肯定的に捉えていますが、批判される先生もいます。

 何しろ、とても手間がかかるのです。就職希望生徒の多い学校では、生徒と付き添い教師と事業所との3者ともに都合のよい日時を定めてアポをとるのが、とても大変です。1社に、複数の見学希望生徒がいるとしたら、もっと日時の調整が大変です。付き添い教師の確保も大変です。夏休みといってもクラブや夏期講習などがあって、教師の空いている時間は限られています。そして、この職場見学の実施を、夏休みに入った7月下旬から、受験企業を決定する8月上旬の間に、行わなければならないのです。就職担当の教師は、体が5つくらい欲しいと思っているはずです。また、これだけ労力を使って、職場見学を実施しても、離職率の改善がほとんど見られないという現実もあります。

 私は、就職希望者が少ないこともあって、なんとか、職場見学の日程を組みました。来週から、いよいよ生徒たちとの職場見学が始まります。
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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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