高校生の学力の低下

2010/12/18 Sat (No.183)

 12月12日のブログでも触れた、JSコーポレーションによって全国の高等学校の進路指導担当者に対しておこなわれた質問の回答についてのお話です。質問項目の中に「進路指導で難しいこと」というのがあります。これに対する回答で一番多かったのは何だと思いますか。

 約7割の高校で問題点だと感じていること、それは、「生徒の学力の低下」です。公立高校の69.4%、私立高校の68.8%の担当者が、生徒の学力が低下していると感じています。3年前の同じ調査では、公立高校で58.4%、私立高校で59.2%でしたから、この3年で10ポイントも上昇しました。

 わたしたちが、「今年の1年生はできがよくない」というのは、「最近の若者は…」というのと同じくらいの常套句で、少しは割り引いて考えなければならないのですが、それでも年々少しずつ学力が落ちてきているように思います。このことは、わたしの学校よりもはるかに偏差値の高い高校においても見られる現象です。学力だけでなく、常識力も低下しており、「日本語が通じなくなった」とこぼしている先生もいます。少子化の影響で、一生懸命勉強しなくても大学に合格するので、嫌いな勉強に対する「モチベーション」が低下してきているのです。

 しかし、保護者の皆さんはわたしと同感だと思いますが、高校時代に勉強したことは、そう簡単に忘れるものではありません。わたしは文系ですが、学校の定期テストの監督時に、数学の問題を目にして、その場では解けなくても少し復習すれば解けそうだと感じることがあります。そして高校時代に勉強したことは「思考回路」を形づくる上で重要な役割を担っているように感じます。半ば強制的に勉強させられても、また直接役に立たないとしても、自分を形成するバックボーンのひとつとなります。運動クラブに所属する生徒が、意味もわからず強制的に練習させられたことが、のちの自分の財産となっている、というようなことが、勉学においても成り立ちます。高校時代に学習の習慣をつけ、入試に関係がない科目も、すくなくとも「定期テスト」を捨てないでほしいと思います。

 また大学での勉強は、高校での知識の基礎の上になりたっています。いまでは、入試に数学のない理系学部も存在しますが、大学で数学が必要ないはずはなく、高校時代楽をした分余計に大学で努力を要することとなります。
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進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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