大阪府チャレンジテストの滑稽さ

2017/02/13 Mon (No.1596)

 2017年度の大阪府の公立高校入試における調査書(内申書)には、中学3年時の評定に加えて中学2年時の評定も用いられます。中学3年時の評定の決定方法についても問題があるのですが、今日は、中学2年時の評定の決定についての問題点を述べたいと思います。

 大阪府は、「各中学校における生徒の年度末評定が妥当性・信頼性の高いものであるかどうかを判断するため、チャレンジテストの結果を活用」し、各生徒の評定は、「府教育委員会が示す得点の範囲」におさめることとしています。下の図は、大阪府教育委員会が「中学1・2年生と保護者のみなさんへ(平成 27 年 12 月 大阪府教育委員会)」と題したリーフレットから抜粋したものです。評定3をつけるためには、チャレンジテストの点数が92点から31点の範囲にあることが必要です。そしてチャレンジテストが95点あれば、評定は4か5になります。
評定の範囲
 
 平成28年1月に実施されたチャレンジテストが、今年の受験生に実際に適用されます。その得点の範囲の一覧表をご覧ください。(出典「平成27年度 『評定の範囲』について」 大阪府教育委員会)
2年チャレンジテスト

 ここからわかることは、国語の評定が3であるためには、チャレンジテストの点数が70点から22点の範囲内にあることが必要です。しかし、国語のチャレンジテストで83点をとっていれば、定期考査の成績がどんなに低くても、評定は5で確定です。3学期の学年末テストは0点でも大丈夫です。また英語のチャレンジテストが44点であれば、定期考査がどんなに優秀であっても評定4がつくことはありません。

 こんな不合理なことがあるでしょうか。1回のチャレンジテストの点数によって学年成績が決定されてしまうのです。学校の成績や授業態度や提出物なんてどうでもいいから、チャレンジテストだけがんばって90点台を取れれば多くの教科で評定5が確定します。学年を通しての学びを教育委員会は何と考えているのでしょうか。

 とはいえ、ここはユーモアの本場大阪です。教育委員会は、「学校は、授業や宿題、テストなどの皆さんの日常の学習の結果を評価しています。毎日の学習にしっかり取り組んで、自分の力をのばしてください。」という笑止千万な文章を、さきの「中学1・2年生と保護者のみなさんへ」のリーフレットの最後に付け加えることを忘れてはいません。頭はいいが態度の悪い生徒に手を焼く中学校の先生、あるいは、チャレンジテストでたまたま失敗して低い評定をつけざるを得ない生徒に同情している中学校の先生の姿が目に浮かびます。
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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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