私立高校の無償化

2010/11/05 Fri (No.138)

 今日の朝日新聞朝刊に「無償私立校に殺到」という記事がでていました。大阪府は来年度から、府内の私立高校に通う新入生のうち、年収610万円未満の世帯で授業料の無償化を始めるというものです。

 大阪府はすでに今年度の入試から、年収350万円未満の世帯の私立高校生の授業料を無償化しています。その結果、とくに偏差値40以下の低学力層での私立高校専願率が伸びました。偏差値40以下の高校は、公立、私立とも最底辺に位置する学校です。生徒の勉学に対する意欲は乏しく、授業はなかなか成立しません。しかし、生徒や保護者はできれば大学に進学させたいという希望を持っています。これと呼応して、大学によっては、何とか学生を確保したいため、このような高校にも指定校推薦をばらまくようになりました。

 私立高校だと経営に関わるので、指定校推薦のカードを多く集めようとします。また、中学校までは低学力であったが、高校ですこしでも勉強に関心を持つことができた生徒に対しては、学力別クラス編成や特別講習などの形で、実力アップを図ります。そのため偏差値40以下の高校だと私立の方が公立よりずっと進学実績がよいのです。そこで保護者はできれば私立高校に進学させたいと思っています。今まで、授業料の壁があり、やむなく公立に進学させていた年収350万円未満の家庭も、私立高校に出願するようになりました。

 さて、来年度から年収610万円未満の世帯まで私立高校無償化ということになれば、もう少し上のクラスの高校まで影響が及ぶものと考えられます。公立高校には、公立高校の自由で闊達な雰囲気があるのですが、それがなくならないことを祈っています。
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低所得の家庭の子供=低学力の子供ということでしょうか。


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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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