難易度別センター試験問題

2010/10/28 Thu (No.129)

 10月25日の朝日新聞に、大学入試センター試験を難易度別に2種類作成することが検討されている、という記事が出ていました。センター試験の問題は、平均60点水準で作られているが、成績分布のグラフが上位と下位の二つの山になっている科目もあり、受験生の学力格差が広がる兆候が表れてきているというのが理由だそうです。

 確かに、大学が二極分化している現状では、有名大学をめざして勉強をしている受験生と、アルバイトと遊びに明け暮れている受験生とでは、その実力は全く異なります。しかし、だからといって2種類の問題が必要でしょうか。

 旧帝大に代表される難関大学では、はじめから、センターテストの成績などあてにしていません。センター試験の得点と2次試験の得点とは相関関係があるといっても、2次試験の問題はセンター試験より難しく、またその配点もセンター試験の配点より遙かに高いため、受験生の合否は2次試験のできによって決まります。ですから、たとえセンターテストで85%の得点をとっていようと、そのことが直接合否に結びつくわけではありません。難易度の高い問題をセンターテストで出題することによって受験生のセンターテストの得点に差がついたとしても、現在のように2次重視の入試をしている限りは、それほど意味がないことだと思います。また大学も他大学との差別化を行うためにも、2次重視の方向は変えないだろうと思います。

 これに対して、下位グループの私立大学の入学試験は、高校入試か高校1年生程度の問題ですので、これらの受験生が現在のセンター試験を受験したとしても、1割から2割くらいしか得点できないと思われます。そこでこれらの受験生のために平易な問題をつくるという発想があるのかも知れません。しかし、このグループの受験は、ほとんどAO入試か指定校推薦入試、少し頑張った生徒がいても1科目だけの推薦入試です。ですから、平易なセンター試験の問題をつくっても、同じ問題を何度も使用できるわけではありませんので、それを1月に実施するとしたら、需要がそれほど多いとは思われません。

 2種類の問題をつくることは、労多くして実りが少ないような気がします。
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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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