奈良時代からあった奈良漬け

2010/10/27 Wed (No.128)

 平城宮跡会場には、「奈良の味館」という土産物売り場があり、無料のシャトルバスを待つ間にのぞいてみました。そこでわたしたちが買ったのは、「山崎屋」の奈良漬けです。「平城宮跡資料館」にも展示がありましたが、奈良漬けは、奈良時代から「かす漬」として食べられてきたそうです。酒造りが盛んになった室町時代には、南都諸白(奈良の酒)の酒粕でつくる「かす漬」が奈良漬けと呼ばれるようになったとのことです。
 
 奈良漬けには塩分とともにアルコール分も含まれています。「夏の野菜は腐りやすく、奈良漬にすることで長期保存が可能になりました」と山崎屋のパンフレットに書かれています。それで、奈良漬けに、夏野菜の「うり」や「きゅうり」や「なす」が多く、「大根」や「白菜」がない理由がわかりました。

 ところで皆さんは、奈良漬けが完成するまでに何ヶ月かかるかご存じですか。わたしは、1~2ヶ月くらいだと思っていました。しかし、完成までじつに1年半から3年かかるということです。「うり」だと1年から1年半、「西瓜」で2年から3年漬け込むそうです。まず3ヶ月から1年のあいだ塩漬けにした野菜を、「酒粕」に1~6ヶ月間につけます。これを下漬と呼ぶそうです。このあと少し違った「酒粕」に2~3ヶ月つけ込み、そのあと塩分を抜いて、みりんや砂糖などで調味された酒粕に1~2ヶ月つけます。このつけ込みを上漬といいます。そして、最後に上漬のとは異なる「調味粕」に1~2ヶ月漬け込んで完成となるそうです。完成した奈良漬けは塩分4%、アルコール分5%に調整されているとのことです。奈良漬けにこれほど手間がかかっているとは思ってもみなかったです。

 売られている奈良漬けには、いろいろな種類がありますが、わたしが一番好きなのは、「きざみ奈良漬け」です。これは、小さくきざんだ奈良漬けのきざみはしを酒粕と一緒に食べるもので、酒粕のうまみと甘みも同時に味わうことができます。いろいろな野菜がはいっており、ご飯のおかずにも、日本酒のあてにももってこいです。すがたの整った「うり」や「西瓜」の一本漬けと違って値段が安いのも魅力です。奈良に行くとたいてい「奈良漬け」、京都に行くとたいてい「しば漬け」か「生八つ橋」を買って帰ります。
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進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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