夏祭浪花鑑

2013/07/28 Sun (No.1156)

 先日、国立文楽劇場で「夏祭浪花鑑」を観てきました。昨年、脳梗塞で入院した竹本住大夫が「釣船三婦内」の「切場」を語ります。三味線は、野澤錦糸です。「三婦」が「お辰」を信用しながらも、色気に気遣い、「お辰」はいったん引き受けたことは守ろうと一本気です。昨年までの住大夫とくらべて、すこし迫力が少ないかなという感じはしましたが、本当によく恢復されたと思います。

 ところで、「夏祭浪花鑑」は典型的な大坂の夏狂言です。クライマックスは、高津宮夏祭の宵宮に起こった、舅殺しの凄惨な場面ですが、祭りのだんじり囃子が、血が騒ぐ「団七」の心根を非日常的な空間へと導いていきます。夏狂言には、刃傷沙汰が多いのです。「夏祭浪花鑑」では祭り囃子が、「女殺油地獄」では床一面に広がった油が、「伊勢音頭恋寝刀」では妖刀青江下坂が契機となり、人の心にすむ「狂気」を拡大していくのです。
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Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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