受験生いじめの大阪府公立高校入試制度改革

2015/08/03 Mon (No.1480)

 大阪府の公立高校入試制度は、毎年変更されています。とくに2016年3月の入試では非常に大きな変更があります。直近の問題として話題になるのは、「全国学力調査」の結果を高校入試の内申書の評価に反映させるとした大阪府教育委員会の決定に対してです。「全国学力調査」は、小学6年生と中学3年生を対象に全国的な学力レベルを調査するものです。その学力検査は、決して高校入試を視野に置いたものではなく、生徒の学力把握が目的です。そのため文科省はこの大阪方式に反対していますが、大阪府はそれに反発し、「学力調査」の結果をなにがなんでも内申評価にふくめる考えです。
 
 その背景には、今まで相対評価であった内申を、2016年入試から絶対評価に変更することがあります。絶対評価になれば、多くの生徒に高評価をつけることができるのですが、評価の基準が中学校ごとに統一されないからです。相対評価であれば、それぞれの評価のパーセンテージは決まっており、機械的に評価できるのですが、絶対評価だとかえってどこに基準を置くのか曖昧になります。

 それを担保するのが「学力調査」の成績だというのです。「学力調査」の優秀校は、絶対評価で高い評価をつけられるようにし、「学力調査」のよくない中学校は、絶対評価で抑制を設けるというのです。
 
 しかし、「学力調査」を内申に入れるとすればどうなるのでしょうか。まず中学校で「学力調査」で好成績を取るための講習が行われます。塾では、出題傾向を分析し、その対策に力を入れます。塾に通うことのできる生徒と、通うことのできない生徒とでは、その結果により大きな差が生まれてきます。中学の教師にとっても、生徒にとってもでは、負担が増えたことは間違いありません。しかも、その方針を「学力調査」実施直前に決定したのです。

 うがった見方をすれば、大阪府知事や大阪市長は、「学力調査」での大阪府の成績が芳しくないので、入試をえさに大阪府の成績を上げようとしているのかもしれません。いずれにせよ、毎年コロコロ変更される大阪府の高校入試制度に振り回されているのは、受験生そのものです。受験生不在の入試制度に憤りを覚えることが本当に増えてきました。
関連記事


プロフィール

進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

ブログ内検索
カテゴリ
今まで訪問された方
最新記事
月別アーカイブ
RSSリンクの表示