2014年大阪ヨーロッパ映画祭の中止?

2014/10/28 Tue (No.1433)

 大阪市は、文楽だけに冷淡なのではありません。昨年まで、11月には毎年大阪で、「大阪ヨーロッパ映画祭」が開催されていました。2013年は20回目の開催で、フランス映画『心の陽だまり』やドイツ・ノルウェー映画『ふたつの人生』など話題作が数多く上映されました。わたしも今年の開催を楽しみにしていたのですが、今になってもアナウンスがなく、ことしは開催されないようです。

 事業費2000万円のうち、大阪市は700万円を負担してきました。しかし、今年の予算にその事業費は計上されていません。ハリウッド映画は、どこでも上映されていますが、ヨーロッパ映画は、日本での上映の機会がほとんどありません。ヨーロッパ映画に触れる貴重な映画祭であっただけに、今年開催されないことは大変残念に思います。
関連記事

大阪市は2015年から文楽への補助金を廃止

2014/10/26 Sun (No.1432)

 今日の新聞に、文楽協会に対して大阪市が来年度から補助金制度を廃止する、との記事が載っていました。文楽協会への補助金は、橋下市長のもとで2012年度に25%減額され、13年度以降は年間入場者数が目標に満たない場合はさらに減額するとの方針が続いていました。その結果、2014年度の補助金は、2011年度の約4割となっています。

 この補助金を廃止するというのが大阪府の方針です。文楽は大阪の生んだ立派な芸術です。娯楽が多様化した現代では、愛好家は少なくなったかも知れませんが、興行成績でその存亡が決定されるという性質のものではありません。

 今年は、竹本住大夫の引退もあって、春の文楽公演は満員でした。昨年よりは、観客数は多いようです。それでも、運営資金は不足しています。そのようななかで、補助金が廃止されたら、文楽の質を維持していくことが可能でしょうか。人形の衣装やかしら、太棹の維持にもお金がかかります。かしらのバネには現在手に入らないセミクジラのひげが使われています。

 興行成績だけを言うのなら、春の「菅原伝授手習鑑」や夏の「女殺油地獄」などの人気狂言だけを演じていればいいのかもしれません。しかし、人気はないが、すぐれた作品も上演しなければ、やがて上演できなくなってしまいます。夏の「槍の権三重帷子」などはあまり上演されない演目ですが、素晴らしい仕上がりになっていました。

 文楽が、世界に誇る伝統芸能であり、保護に値するものであることを理解することが、大阪市には難しいのでしょうか。
関連記事

だれる2年の2学期

2014/10/21 Tue (No.1431)

 中間試験が終わり、採点に追われています。昨年までは、進路部長だったので、持ちクラス数も少なく今年よりは採点枚数少なかったのですが、採点途中にいろいろな雑用が入り、なかなか採点が進まなかったことを覚えています。

 その点今年は雑用がないので、集中して採点することができます。ずっと3年の科目ばかり教えてきたのですが、今年は2年の全クラスを教えています。2年の2学期の中間テストは、一番生徒も中だるみするころです。1学期、成績の良かった生徒も、勉強しなくなりました。しかし、今頑張れるかどうか、踏みとどまれるかどうかが、3年になってからの成績に影響してきます。

 あっという間に3年になり、あっという間に受験です。気持ちを引き締めて努力していってください。
関連記事

関西の大学の公募制推薦入試では、評定平均は不問である

2014/10/18 Sat (No.1422)

 秋も深まり、いよいよ公募制推薦入試の季節が近づいてきました。私立大学の公募制推薦入試の実施方法について、関東と関西ではかなりの違いがみられます。関東では、評定平均と面接試験を重視し学力試験のないところが多いのに対して、関西では、学力試験を重視し評定平均の基準や面接試験のないところが多いです。

 2015年度公募制推薦入試に必要な評定平均の基準について、エイビ通信社の貴重な資料がありますので載せておきます。(出典 「私立大:2015公募推薦入試の全国統計レポート(1)」 エイビ通信社)

推薦入試

 これを見ると、関東では公募制推薦入試の受験には、3.0から3.5程度の成績基準が必要なのに対して、関西では多くの大学が、成績基準を設けていないことがわかると思います。また、関東では8割以上の大学で面接試験を課すのに対して、関西では面接試験があるのは5割の大学にとどまっています。その代わりに、関西では多くの大学が1ないし2教科の学科試験を課しています。

 受験生のみなさんで、評定平均が良く、学科試験に自信がないのなら、関東の大学、評定平均が悪く、学科試験に自信があるのなら、関西の大学を受験してみるのも一方法かもわかりません。関西の大学の公募制推薦の多くは、併願可となっています。
関連記事

学生支援機構奨学金返済の実際

2014/10/16 Thu (No.1429)

 じつは、わたしの次男も、日本学生支援機構から、毎月8万円の奨学金の貸与を受けて、この3月に大学を卒業しました。一般的には返還開始は、2014年10月からですが、大学院に進学したので、在学期間の猶予があり、返還開始は2016年10月からとなります。

 「利率見直し方式」を選択したので、当初5年間の利率は0.2%となっています。手元に学生支援機構から送付されてきた、返済内訳表があるので、お見せしましょう。

返済奨学金

 5年後には利率が見直されるので、返済総額は変動しますが、おおむね400万円から500万円の間になると思います。本人が今後20年間にわたって返済し続けなければならないわけです。本人が返済できなかった場合のことも考えて、連帯保証人であるわたしは、内緒の話ですが、退職金の中から別立てで、500万円程度は預金しています。
関連記事

学生支援機構第2種奨学金の返還利率

2014/10/14 Tue (No.1428)

 日本学生支援機構の第2種奨学金の返還利率は、最大3%までと決められています。貸与月額8万円、入学時特別増額なしの場合、最大利率の3%でシュミレーションしてみると、月々の返済額は、21531円。同じ貸与月額で入学時特別増額50万円であれば、月々の返済額は24387円となります。これらの金額を20年間にわたって、毎月返還し続けるわけです。

 ただし、現時点の利率はもっと低いです。2014年9月に貸与終了した場合の返還利率は、「利率見直し方式」による場合は当初5年間の利率は0.2%でその後は見直し、「利率固定方式」の場合で0.79%となっています。0.79%で、同上の貸与月額8万円、特別増額なしとして計算してみると、月々の返済額は17364円となります。

 利率は毎月見直されています。近年一番利率が高かったのが、2008年6月で、「利率見直し方式」で1.5%、「利率固定方式」で1.9%でした。今後の経済状況によっては、それ以上の利率になる場合もあります。
関連記事

OECDで給付奨学金のない国は少数

2014/10/12 Sun (No.1427)

大学教育に対する公的支援について、もっと詳しく各国の比較をした表がウェブ上にありました。下の表をご覧ください。(出典 http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/data/oecd34.pdf)

oecd.jpg

 2012年秋に、それまで留保してきた、国際人権規約A規約中の「中・高等教育の無償化」に対する留保を、政府が撤回し、日本も、「無償教育の漸進的な導入」という人権規約に拘束されることとなりました。しかし、実際には授業料無償化には、ほど遠い状況です。高校の授業料の無償化にも、所得制限が付きました。大学では、確かに授業料減免措置、奨学金関係予算は、漸増しています。しかし、肝心の授業料の無償化は行われる気配がありません。人を育てるべき、高等教育に対して、日本が冷淡であることが、お分かりいただけると思います。
関連記事


プロフィール

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

ブログ内検索
カテゴリ
今まで訪問された方
最新記事
月別アーカイブ
RSSリンクの表示