日本の大学教育への公的支援は教育ローンだけ

2014/10/10 Fri (No.1426)

 次に日本の公的支援の内訳を見てみましょう。今回も先日同様、OECDの資料によります。下のグラフをご覧ください。(出典 Public support for tertiary education (2011), Education at a Glance 2014 )

公的支援

 項目のうち、濃い水色が給付奨学金、薄い水色が就学・就労支援のための公的支出、黒色が教育ローンをあらわしています。ご覧になればわかるとおり、日本には給付奨学金の制度がなく、すべて教育ローンなのです。
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大学教育に対する公的支援は貧弱である

2014/10/08 Wed (No.1425)

 それでは、大学教育(高等専門教育)に対する日本の公的支援は、諸外国と比べてどのような状態にあるのでしょうか。今年9月に、OECDから「Education at a Glance 2014」が公表されています。下のグラフをご覧ください。(出典 Relationship between average tuition fees charged by public institutions and proportion of students who benefit from public loans and /or scholarships/grants in tertiary-type A education (2011), Education at a Glance 2014 )

授業料

 このグラフは、縦軸に購買力平価を考慮した1年間の公立大学の学費(米ドル)、横軸に公的な教育ローン・奨学金・給付奨学金を受給している学生の割合を示しています。矢印は1995年と比較したときの動きです。日本の学費は、非常に高額で、また公的支援が少ないことが一目瞭然です。イギリス(とオランダ)を除くヨーロッパ諸国では、学費は日本の1/4以下であることがお分かりいただけると思います。また、このグラフの注記3には日本の学費は、国公立大学のものであり、実際には2/3を越える学生が私立大学等に進学している旨が書かれてあります。
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大学中退の最大の理由は経済的困難

2014/10/06 Mon (No.1424)

 日本経済新聞の記事に、「2012年度に大学などを中途退学した人は全学生の2.7%にあたる約7万9千人で、原因は「経済的理由」が20.4%と最も多かったことが25日、文部科学省の調査で分かった。経済的理由の割合は前回調査の07年度より6.4ポイント増えた。文科省は『リーマン・ショック後に比べて景気は持ち直したが、状況改善にはまだ時間がかかる』とみている。文科省は経済的に苦しい学生を支援するため、無利子奨学金や授業料減免の対象者を増やす方針で、15年度予算の概算要求に盛り込んだ。」とあります。(出典 「日本経済新聞」 Web版 9月25日)。

 下のグラフを見てください。中退の最大の原因が、経済的理由となったのです。(出典 「朝日新聞」9月26日朝刊)

中退

 このような状況にある日本が、教育に力を注いでいる国とはたしていえるのでしょうか。大学の学費の高さは世界有数です。そしてそれに対する公的支援が非常に貧弱なのです。

 また前掲の日本経済新聞に、「日本学生支援機構の調査によると、学費が上がるなかで、保護者が支出する学費や生活費は減っている。00年度の年間支出額は平均156万円だったが、12年度は122万円に減少した。 奨学金利用者は増え、大学生の収入に占める奨学金の割合は00年度は8.5%だったが、12年度には20.4%に達した。」とあります。学生支援機構の奨学金制度は、確かに有用な制度なのですが、返還の義務があり、実際は奨学金ではなく、教育ローンなのです。
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メジロとキンモクセイ

2014/10/05 Sun (No.1430)

  今日の夕方、庭のキンモクセイの辺りで何か物音が聞こえます。庭にでて目を凝らしてみると、何羽かのメジロが木の中にいます。急いでコンパクトデジカメを取りに入って、やみくもに何枚か撮ってみると、いました。一羽のメジロが飛び立とうとしています。

めじろ

 この時期に、メジロを見ることはほとんどありません。 キンモクセイの季節は終わっていますが、まだ蜜が残っていたのでしょう。そういえば、1週間くらい前には、シジュウカラが庭にきているのを見ました。ひょっとすると今年は、里山にえさが少ないのかもしれません。
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マックジョブとしてのアルバイト

2014/10/04 Sat (No.1423)

 中堅の高校でも、アルバイトをしている生徒の率が非常に高いです。クラブにも参加せず、授業が終わると、すぐにアルバイト先に直行です。教室では、今月3万円稼いだとか、5万円稼いだとか、という声が聞こえます。家庭でもらっている小遣いの額よりは格段に多いので、それでスマホ代を捻出したり、服を買ったり、デートをしたりしています。お母さん方のなかにも、家でグウタラしているより、小遣いも稼げるし、何より社会勉強になるからとアルバイトを後押ししている場合もあります。

 確かに小遣いが稼げるのは、生徒たちにとって大きな魅力です。でも一日3時間、週3日働いたとして、時給800円でひと月約3万円、確かに小遣いとしては十分です。しかし、そのために月40時間程度を消費しているのです。もしその40時間を、予習・復習に回すことができたら、あるいはクラブ活動に充てることができたらと思います。一日1時間の学習は、着実に学力を高めていきます。クラブに所属することは、他人と協力すること、一人では成し遂げられない達成感やときには挫折感を教えてくれます。ボランティア活動に参加すれば、地域との共生を経験することもできます。

 アルバイトは社会勉強といいますが、社会勉強というのは、そのことによって自分自身が何らかの形で高められる場合を指すのであって、高校生がよくアルバイトしているスーパーのレジや飲食店のウエーター・ウエートレスでは得られるものは少ないと思います。スキルを磨くことのない、いわゆるマック・ジョブと呼ばれる仕事が高校生に求められている仕事なのです。

 高校生の間は、高校生にしかできない経験をしてほしいと思うのです。
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小学校教員採用数は7年後には半減

2014/10/01 Wed (No.1421)

 先日、教員の大量採用が続いてきたとお話ししましたが、この話には続きがあります。この採用状況がいつまで続くのかという問題です。今後どう推移していくのでしょう。先日お見せしたグラフには続きがあるのです。広島大学大学院の山崎教授の推計によると、退職教員が既に都市部で減り始める一方、公立小中学生も今の970万人から、2025年度には820万人へと少子化がさらに進んでいくため、近々教員採用数が減少していくというのです。

 全国的にみると小学校教員の採用数は2018年、中学校教員の採用数は2012年をピークに減少していくと予測されます。2018年というとあと4年後、すなわち現在の高校生が大学を卒業するころには、小学校教員の採用は減少に転ずるのです。(出典 「朝日新聞」9月14日 朝刊)

採用減少

 この減少を地域別にみると、関東圏と近畿圏でとくに著しい動きがあります。下のグラフをご覧ください。(出典 「朝日新聞」 9月17日朝刊)

地区別小学校教員

 近畿圏では、現在高校1年生の生徒が、大学を卒業する7年後には、小学校教員の採用は半減しているのです。小学校教員を志す高校生のみなさんは、大学に入学してからも、心して勉学に励んでください。
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プロフィール

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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