公立学校教員大量採用時代

2014/09/29 Mon (No.1420)

 近年、高齢化する教員の大量退職にともなって、小・中学校、高等学校で教員の大量採用が続いてきました。先生になりたいと考えている生徒たちにとっては朗報となります。

 下のグラフでわかるように、2013年度の採用者は小学校1万3600人、中学校8400人で、採用者が一番少なかった2000年度の小学校3700人、中学校2700人と較べて、採用数は約3・5倍に膨らんでいます。現場においても、若い先生が増えてきているのを実感していることと思います。(出典「平成25年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について」文部科学省)

採用者数

 それに伴って、教育学部・教育学科を設置する大学が増加してきました。小学校教員を養成する私立大学は、2005年度には51校であったものが、2013年度には156校と3倍以上に増加しました。
 
 また、国公立大学では、2012年には山梨大学、信州大学、滋賀大学、奈良教育大学、2013年には福岡教育大学で教員養成課程の定員増が行われました。私立大学では、近畿圏に限っても、2014年度には、大和大学、大阪成蹊大学、プール学院大学、関西福祉大学、奈良学園大学で教員養成課程の新設・改組が行われました。

 また採用試験そのものの倍率も、近年低位で停滞しています。教師になろうと志す生徒にとって好機が訪れているのです。(出典 上掲資料)

倍率

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大学受験が終わってからでは就職はできない

2014/09/27 Sat (No.1416)

 「大学受験に失敗したら就職に変更」というパターンは基本的にありません。生徒たちには何度も話しているので、そのことをわかっているのですが、保護者のみなさんのなかには、就職を安易に考えている方も、ときおり見受けられます。

 縁故で就職するのでなけれは、高校生の就職は、高校の進路指導部を通じての斡旋就職となります。高校生が直接ハローワークに行って求職活動をすることはできません。斡旋就職の求人票の公開時期や就職試験の開始時期も決められています。9月16日が就職試験の開始日で、9月下旬か10月初旬には第一次就職試験の結果がわかります。生徒たちが勤めたいと思う就職先は、一次募集で満杯となっています。ですから時期的にも、大学の公募制推薦入試の終わる12月では、募集している事業所はありますが、職種は限られてくるのです。

 就職を希望する生徒には、4月の初めから学科試験や面接試験の練習を何度も繰り返して行います。これらは、大学を受験するのとは異なり、マンツーマンの指導が必要となります。大学入試が終わってからでは、十分に指導することは困難です。就職を希望するかどうかは、遅くとも3年生の4月に決めることが大切なのです。

 わたしのかつての事例で、大学進学を希望して勉強していたが、家庭の経済的事情が急変して就職せざるを得なくなった生徒がいます。成績も優秀、性格も温厚な生徒で、志望大学に合格できる実力も備えていたのですが、9月の下旬に急に就職に変更したため、就職の一次募集には間に合いませんでした。その結果、10月に2社受験して失敗し、ようやく3社めに内定をもらいました。

 今より、就職状況が厳しかった頃の話ですが、就職を甘く考えていると望み通りの就職をすることはできません。進学では、進学するものが費用を負担しますが、就職では、事業所が給料を負担するのです。
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センター試験、理科の受験パターン

2014/09/25 Thu (No.1418)

 2015年のセンター試験は、現役生が、数学と理科とで新課程に移行しており、とくに理科の受験形態が昨年までと大きく異なります。地歴・公民科、数学科、理科の受験教科科目事前選択制も継続しています。今日は、受験科目の事前選択について説明します。

 地歴・公民科は、昨年通り、受験科目数を1科目か2科目か事前に選択します。具体的にどの科目を受験するかは、当日受験会場で選択できます。もちろん不適切な組み合わせもあります。数学科は受験の有無を事前に選択します。受験する場合、数学1のグループ(数1.数A)と数学2のグループ(数2・数B)の一方ないしは両方を受験します。浪人は旧課程の数学を受験することができます。

 理科は理科1(基礎科目)のグループと理科2(基礎のつかない科目)のグループに分かれます。浪人生は旧課程のグループを選択することもできます。これらのグループの中から現役生は4通り、浪人生は6通りの選択の仕方があり、事前選択が必要です。選択パターンを受験会場で変更することはできません。具体的な受験科目は、選択したパターンにそって、受験会場において選ぶことができます。

 理科については少し複雑なので下の資料をごらんください。(出典 「平成27年度大学入試センター試験(リーフレット)」 大学入試センター)

理科
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2015年度大学入試センター試験志願票の書き方

2014/09/22 Mon (No.1417)

 大学入試センター試験の出願が、9月29日から始まります。皆さんの高校ではもう受験案内(志願票)が配布され、説明があったことと思います。今日は、志願票の実際と、その書き方についての大学入試センターの説明を紹介します。(出典 「大学入試センター試験受験案内」)いずれもクリックすれば大きくなります。

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指定校推薦入試のメリット

2014/09/21 Sun (No.1415)

 9月も下旬となり、指定校推薦の時期もそろそろ終了します。指定校推薦についての考え方は、高校によってさまざまです。難関大学への進学者の多い高校では、指定校推薦は基本的に勧めませんし、指定校推薦を利用する生徒もごくわずかです。
 
 それに比べて、学力の低い高校では、4年制大学進学のほとんどが指定校推薦を利用したものです。大学に進学するには、高校時代まじめに努力して評定平均をあげることが一番の近道です。公募制推薦入試や一般入試では学力が届かなくて、指定校推薦を利用しなければ、大学に進学できないのです。この場合は、指定校推薦を利用するのが得策だと思います。高卒で就職する気がないのなら、フリーターになるよりも、大学に進学したほうがメリットは大きいと思います。

 少子化に伴って、経営上の理由から、多くの大学が多くの高校に指定校推薦を依頼しています。全国のすべての高校に指定校推薦を依頼しているという大学もありました。
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先生たちとの同窓会

2014/09/18 Thu (No.1414)

 もう一月以上も前のことになりますが、夏休みに同窓会を行いました。同窓会といっても、教え子たちとの同窓会ではありません。かつて勤めていた高校の同期の担任の先生たちとの同窓会です。3年間同期の生徒を持ち上がり、一度も担任の入れ替えのなかった学年です。2001年卒業の生徒たちを受け持ったので、もと生徒たちも30歳を越しているはずです。

 6.7年前にも一度同窓会を開いており、そのとき以来の再会です。当時は9クラスあり、今回は8クラスの担任の先生が集まってくれました。時の流れは速いもので、そのうち4人の先生はとっくに退職しておられます。懐かしい話に花が咲きました。

 今の高校は忙しすぎます。最近導入されてきた成果主義や教員の評価制度、授業には還元されない報告書や会議のかずかず、昔とは隔世の感があります。昔を知っているOBの先生がたと、久々にのんびりしていた時代を懐かしみました。

 一番年長の先生で、今年から後期高齢者。とはいえ70歳を過ぎても、各方面で活躍されている先生方の姿を目の当たりにして、わたしもそうなりたいと、勇気と力をいただいた思い出に残る同窓会となりました。
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高卒求人倍率はリーマンショック前まで回復

2014/09/16 Tue (No.1413)

 今日から、高卒求人の採用試験が始まりました。もう早速採用試験を受験した高校生もいることでしょう。厚生労働省の発表によると、7月現在での求人倍率は1.28倍で、リーマンショック直前の状態にまで回復しています。下のグラフをご覧ください。(出典 「平成26年度『高校・中学新卒者の求人・求職状況』取りまとめ」 厚生労働省)

求人状況

 しかし、いくら求人倍率が回復したからといって、自分が採用されるかどうかには常に不安がつきまといます。学科試験には自信があっても、面接試験には自信が持てない人もいます。どんなことが、面接試験で質問されるかは、かつて書いたことがありますので、そのときの記事を参考にしてください。
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プロフィール

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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