名桜大学の公立大学法人化

2011/12/24 Sat (No.560)

 先日、鳥取環境大学の公立大学法人化と倍率の変化について書きました。私立大学が公立大学法人となった直近の例としては、沖縄県名護市にある名桜大学があげられます。1学年500人程度の小さな大学です。1994年に誕生した名桜大学も公設民営の大学でした。しかし、2007年度から3年連続で定員を充足できていません。とくに国際学群の人気が低迷していました。(参考 朝日新聞 12月16日朝刊)

 この名桜大学も2010年の入試から公立大学法人として出発しています。そこで名桜大学の入試倍率についても調べてみました。下の図をご覧下さい。(出典 『蛍雪時代8月号』2010年・2011年 旺文社)

名桜大


 2010年の公立大学法人として募集する入試から倍率が上昇しているのがわかります。近年人気のある看護学科でとくに急上昇しています。2011年の入試においては入試システムの変更があり、昨年・一昨年との単純比較ができませんので、2011年度は学科ごとの倍率のみ載せています。

 公立大学法人になるということは、学費の値下げを意味します。看護学科では年120万円だった学費が54万円に半減しました。
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第2次学生支援機構奨学金

2011/12/23 Fri (No.557)

 日本学生支援機構予約奨学金第2次申込締切は10月の半ばでした。採用通知は12月中旬から発送となっています。しかし、まだ第2次申込者の採用通知が来ていません。そうこうしているうちに12月19日からはインターネットによる第3次申込が始まりました。公募制推薦で合格して大学に進学することが決まった人もいると思います。もちろん学生支援機構のいかなる奨学金も入学手続きには間に合いませんが、入学してからの学資としては利用できます。そのため第2次の採用通知を待ちに待っている人もいると思います。

 昨年の例で言えば、2次募集の採用通知は年が明けてからとなりました。今年もおそらくそれくらいになるのではと思っています。大学入試センターにしてもそうですが、学生支援機構も仕事の量が多すぎるのか仕事がなかなかはかどっていません。そしてどちらも電話がほとんどつながりません。
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2学期の終業式

2011/12/22 Thu (No.559)

 わたしの高校では、今日が2学期の終業式でした。秋に台風のため休校となった日があったので授業をおこなってからの終業式となります。今年は12月23日が祝日ですので1月10日まで長い冬休みとなります。

 多くの3年生はまだ入試があるので、冬休み中も講習を受けるために学校に出てきます。しかし推薦入試で第一志望に合格した生徒にとっては本当の冬休みです。スキー旅行のパンフレットが隅っこにおいてある教室もあります。推薦入試で合格した生徒のなかには、2学期の定期考査に手を抜いて成績が急下降したものがいます。推薦入試の際の調査書には3年1学期までの成績が記載されますので、2学期の成績は問題とならないのです。1学期80点を超えていたのに、2学期欠点となっている生徒もいます。そのような生徒には、欠点者課題をたくさん出そうと思っています。わたしは基本的には3年生の成績にはそう厳しくありません。しかし、横着をする生徒には少しお灸をすえなければなりません。

 2単位科目を教えているので、数えてみれば3学期の授業は各クラスとも4回程度しかありません。あと一ヶ月すれば3年生は卒業試験です。長いようで短い1年、生徒たちはやがて卒業し、わたしはまたひとつ年をとります。
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中期日程の大学、センターのみの大学

2011/12/21 Wed (No.558)

 公立大学では、昨日ふれた大阪府大の工学域のように、中期日程試験を実施する大学があります。前期日程受験者も結果発表前に中期日程を受験できるので、一般的に見かけ上の倍率は高くなります。前期日程の大学に合格して入学手続を行った者は中期日程の合否判定から除外されます。

 2012年入試で中期日程を実施するのは、釧路公立大(経済)、高崎経済大(経済)、金沢美術工芸大(美術工芸)、都留文科大(文)、岐阜薬科大(薬)、静岡県立大(薬)、名古屋市立大(薬)、大阪府立大(工)、兵庫県立大(理)、奈良県立大(地域創造)、岡山県立大(情報工)、下関市立大(経済)の12大学です。

 また個別試験を課さずセンター試験の得点だけで合否を決定する大学もあります。

 前期日程で個別試験を課さない大学は、国立大学では北見工業大(工)、茨城大(人文・社会科学)、埼玉大(経済・センター枠)、富山大(経済・夜)、公立大学では釧路公立大(経済)、都留文科大(文)、熊本県立大(総合管理)の7大学です。

 いずれにせよ出願にあたっては、必ず入試要項で確認してください。
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大阪府立大学の志望者減少

2011/12/20 Tue (No.556)

 昨日大学の志望動向をまとめていて、大阪府立大学の現時点での志望者があまりにも少ないことにショックを受けました。昨日のデータは前期日程の志望動向ですが、工学域の入試が行われる中期日程でも対前年比84と苦戦しています。ただ、工学域の志望者の減少幅が大きいのは偏差値46から58の学力層で、上位層の減少はそれほど大きくありません。ベネッセではB判定偏差値を61としています。

 ところで大阪府立大学は府が設立する唯一の大学です。歴史をひも解けば、130年前に設置された獣医学講習所をその前身とし、2005年には大阪女子大学、大阪府立看護大学を吸収合併して新しく公立大学法人として出発しました。

 6月にわたしの高校でおこなわれた大学説明会に、府立大学の文系の先生が2名お見えになり、進路指導室でお話したとき、教育行政の影響で文系学部が縮小されることを嘆いておられました。とはいえ、2012年からは、4学域13学類の大学として新しい出発をします。文理融合型の新しい学際的な大学のスタートです。これからの大学に期待していました。その矢先、ダブル選挙の結果を受けて大阪市立大学との統合のうわさが立ち始めました。11月の終わりに大阪府立大学でおこなわれた進路研究会の冒頭で、挨拶に立った先生がやや自嘲気味に巷では、「大阪都立大学」だの「首都大学大阪」だのとすでにそういう名称までささやかれているのですとおっしゃっていました。

 大阪府立大学は府民にとって誇れる大学です。航空宇宙工学科はとくに有名で、小型人工衛星「まいど1号」の打ち上げには、大阪の中小企業と大阪府立大学の叡智が結集されました。また2013年の夏には府立大学学生の設計開発による超小型人工衛星「OPUSAT」の打ち上げも決まっています。獣医学科をもつ大学も関西では大阪府立大学だけです。

 大阪府民であるわたしにとっても身近にある大学です。わたしは高校生のころ「白鷺駅」から「堺東駅」まで、南海高野線で学校に通っていました。そしてその「白鷺駅」のすぐ近くに大阪府立大学があり、通学の行き帰りにいかにも大学らしいキャンパスを眺めることができました。中学生のころ大学祭にもいったことがあり、わたしにとっても思い出のある大学です。

 その大学に志望者が集まっていません。志望動向はダブル選挙の前のものなので、統廃合の可能性の影響があるとは思えません。4学域にしたことで不透明感があるのかもしれません。キャンパスも広く落ち着いた大学です。大阪府民の一人として大阪府立大学の今後の健闘を祈っています。
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国公立大学の志望動向

2011/12/19 Mon (No.555)

 今日は国公立大学の大学別の志望動向をお知らせします。難関10大学と近畿の大学の前期日程での志望動向です。使用した資料、表の見方は昨日と同じです。

大学別志望動向

 難関10大学では、震災の影響と文系離れの影響で東北大学と一橋大学が志望者を減らしています。近畿では多くの大学が志望者を増加させているのに対して、学部の全面的な改組があった大阪府立大学が大きく志望者を減らしているのが気になります。
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学部系統別大学志望状況

2011/12/18 Sun (No.554)

 代ゼミと駿台・ベネッセの2012年度入試における学部系統別志望動向を一覧表にしました。(出典 「出願指導ガイドブック」ベネッセ 「代ゼミデータリサーチ」vol.3 代ゼミ)
 代ゼミのデータは本年度公開模試受験生の第一志望における対昨年比です。駿台・ベネッセのデータは第1回マーク模試における志望者数の対昨年度比を表わします。オレンジは5%以上の減少、グリーンは5%以上の増加を表わします。

系統別志望動向

 これをみると法学部・経済学部の人気がますますなくなり、理系では、看護・保健の人気はもちろんですが、近年志願者数が減少していた歯学部に人気が戻ってきたといえます。薬学系では大都市圏の上位大学を中心に志望者増となっています。また生活系では相変わらず、食物栄養系の人気が高いようです。
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プロフィール

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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