就職受験報告書

2011/09/30 Fri (No.474)

 高校生が就職試験を終えると、すぐ学校に戻って「受験報告書」を記入することになります。下に大阪府の就職受験報告書を載せておきます。府の受験報告書は、不公平な選考がなかったかどうかという観点から作成されています。応募用紙は全国統一応募用紙だけが認められています。また健康診断は、合理的客観的に必要な場合に限って認められます。もちろん身元調査は認められません。「面接試験の内容」については、1から15までは違反質問です。

就職受験報告書1
就職受験報告書2


 またそれとは別に高校独自で「受験報告書」を作成しているところも多いです。この場合は、次年度からの受験者の参考にするために、筆記試験や適性検査の内容、面接試験の時間や形態、具体的な質問内容、後輩へのアドバイスを記入する欄が中心となります。受験生は、以上の2つの「受験報告書」を書き上げてやっと就職選考から解放されます。
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未就職者の3ヶ月後

2011/09/29 Thu (No.473)

 大阪府の高校で、3月に就職しなかった生徒たちの将来はどうなっているのでしょう。6月に再調査した結果が下のグラフです。「内定」と「進学」をあわせて17%、のこりの83%の卒業生は、正規就業ができていません。このことから分かるように、一度卒業してしまうと、正規就業は非常に遠のきます。一般求人では、高い倍率の中、経験のある大人と競争しなければなりません。

 グラフの中で「内定」したという卒業生が、14%いるのが救いですが、新規高卒者に対するトライアル雇用の可能性もあります。この場合は、試用期間の3ヶ月が終了した時点で、本採用が拒否される場合があります。3ヶ月の試用期間中は、雇用企業に月々10万円が補助され、その期間は実質的に新卒者を5万円程度で雇用でき、企業にとってメリットがあるからです。3ヶ月を経過した時点での、継続雇用者の割合も調査してほしいところです。

6月調査

 
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高卒で就職できなかった理由

2011/09/28 Wed (No.472)

 興味深い調査結果が発表されました。今年3月の卒業時点で、就職未定者がいる大阪の高校の就職担当者に対するアンケート結果です。まず下のグラフをご覧ください。

受験回数


 就職担当者に就職しなかった理由を聞いています。一番外側の円は一度も受験しなかった生徒、真ん中の円は一度だけ受験した生徒、一番内側の円は複数回受験した生徒を表わします。一度も受験しなかった生徒たちは「自分に合う企業」を見つけられないか、「意欲のない」生徒たちです。一度しか受験しなかった生徒たちは「自分に合う企業」しか受験せず、そののち「あきらめてしまう」生徒たちです。「面接」や「学力」のポイントもそれほど高くありません。
 
 複数回応募する生徒たちは、就職の意欲はあるものの「面接力」や「学力」が合格するには十分ではありません。複数回受験して就職できない生徒の苦悩はあまりあるものです。自分に自信を失い、人生にに消極的になってしまいがちです。「面接力」や「学力」の向上が課題となります。

 では、未就職者のうち、一度も受験しなかった生徒は、どれくらいの割合だと思いますか。未就職者の約5割が一度も受験していません。かれらは「フリーター」か「ニート」につながっていく生徒たちです。一度だけ受験した生徒は就職しなかった生徒の約3割、複数回受験した生徒は約2割です。それでは、3月時点で未就職であった生徒の将来はどうなるのでしょうか。

 6月に再調査した結果がありますので、明日、また考えてみたいと思います。
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大阪の今年の求人状況

2011/09/27 Tue (No.471)

 9月の就職試験も一段落して、今日ハローワークからジョブサポーターの方がお見えになりました。各高校の受験状況の収集です。幸いなことにわたしの高校では、今年は1名の就職希望者で、しかも指定校求人だったので、早々と採用内定通知をいただきました。

 ジョブサポーターのお話では、7月の段階では昨年と比べて求人数が少なかったのですが、8月に入って増加し、大阪の求人数はほぼ昨年通りだとのことです。求人数は昨年通りでも、指定校求人を減らして、WEB上の公開求人に変更している企業もあるので、この場合は、激戦が予想されます。

 不幸にも、一次で合格しなかった場合は、ただちに就職担当の先生と相談して、次の受験先を探してください。自分の許容範囲を少し広げて、受験のチャンスを増やしてください。自分の望む職種の企業の求人がでるのを待っていては出遅れることも多いです。
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私立大学センター利用入試

2011/09/26 Mon (No.470)

 センター試験と私立大学センター利用入試との関係が、よく理解できていない生徒がいます。わたしたちにとっては自明のことでも、生徒にとっては初めての経験になので仕方ないのかも知れません。すこし整理してみましょう。私立大学センター利用入試の基礎となる、センター試験の願書は10月はじめに学校から一括して出願します。この願書は、国公立大学を受験する人にとっては必須のものです。この時点では、国公立大学、私立大学ともどこの大学を受験するかは決まっていません。
 
 それでは、私立大学のセンター利用入試について、関西大学を例にとって説明します。関西大学のセンター利用入試は、センター前期、センター中期、センター後期に分かれています。

 センター前期は出願期間が1月13日までです。センター試験の実施日が1月14日と15日ですから、センター試験を受験する前に、関西大学に出願します。合否はセンター試験の得点のみで判定されます。大学が指定する必須教科以外は、高得点科目を合否判定に利用してもらえます。受験料は18000円です。

 センター中期は1月24日が出願締切日で、センターの自己採点のあとに出願できます。センター試験の得点と関大の個別学力試験の得点の合計で合否を判定します。受験料は35000円です。これも必須教科以外は高得点科目を利用できます。最後のセンター後期は2月25日が出願締切日で、日程以外はセンター前期と同様です。

 名前は違っても、関西大学と同じような入試形態を、他の多くの大学でも採用しています。センター利用入試は、一回のセンター試験受験で多くの大学に出願できるため、センター利用入試を考えている人は、年末までに、どの私立大学に出願するかを考えておくことが必要です。わざわざ個別試験を受験に行く必要がないため、全国どこの大学にも出願できます。
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第一解答科目利用への変更

2011/09/25 Sun (No.469)

 文化祭や台風による臨時休校があったため、わたしの高校では、「大学入試センター試験受験案内」の配布は、今週となります。今年は、「受験教科事前登録制」となるため、センター出願以前に、各大学において受験可能な科目を調べておかなければなりません。

 ともかく最新の情報が必要です。先週、進路指導部に送られてきた書類の中に、香川大学からの薄い角封筒がありました。この時期に送付されてくる書類は出願要項のことが多いので、薄い封筒なので変だとは思いながら、さほど気にも留めずに開封したところ、受験科目利用方法の変更の通知です。

 8月3日のブログで、お知らせした「高得点科目」利用の国公立大学のなかに香川大学は含まれています。ところが、多くの大学が「第一解答科目」を利用していることにかんがみ、「第一解答科目」を採用するとの変更です。9月12日付けでの発表です。

 ちなみに、岐阜大学では、7月28日付けでの発表で「第1解答科目の得点を採用します。(なお、第2解答科目の得点は一切採用しないので、学部・学科等が指定する科目を第2解答科目で受験した場合、出願無資格者となりますので御注意ください。)」とあります。  

 9月15日には、東京外国語大学が「第一解答科目」利用に変更するとの発表です。センター試験の出願はまだ始まっていませんが、ぎりぎりのタイミングです。この時期であれは、すでに「大学入試センター試験受験案内」が配布されている高校もあると思います。

 また、変更についての記載をのせているホームページ上のでサイトが、大学によってまちまちで、探すのに苦労します。せめて、トップページにリンクを張っておいてほしいものです。わたしの8月3日のブログで「高得点科目」利用と記載した大学のなかに、変更したところもたくさんあると思います。必ず要項で確かめてください。

 現在のところ、関西の公立大学の奈良県立大学は、「高得点科目」の利用ができるようです。とはいえ、「センター試験の出願期間」が始まるまでは、細心の注意が必要です。

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指定校推薦募集終了

2011/09/24 Sat (No.465)

 9月の中旬には、指定校推薦の校内選考が締め切られる高校がほとんどです。大学への出願期間に選考が間に合わなくなるためです。もちろん大学のなかには出願期間を何期にも分けて、12月になってからも指定校推薦の出願が可能なところもあります。また高校でも指定校推薦2次募集終了後は、先着順受付としているところもあります。しかし、安易に指定校推薦に依存する大学は、最終的に募集定員を満たすことが困難な大学であることも多いです。

 指定校推薦では、毎年、意外な大学・学部に空きができたり、競争率が高かったりします。高校では、申込・選考の際に、その時点での応募状況をもらしたり、個人情報を教えたりはしませんので、人数調整ができません。

 指定校推薦の出願者がいない場合、その旨の報告を求める大学もあります。大学としては人数確保と調整をしたいのでしょう。しかし高校には、全国の100を超える大学から、それぞれ独自の様式で指定校推薦の依頼が来ているのです。それを読み解き、生徒に周知し、募集・選考するだけでも多くの時間を必要とします。

 毎年、指定校推薦での入学者がある大学であれば、出願者がいない場合は、報告が求められなくとも高校側から事情を説明します。しかし、なじみのない大学から、一方的に指定校推薦依頼を送付され、出願者がいるかどうかの報告を求められると、非常に複雑な思いを抱きます。9月、10月は指定校推薦だけでなく、センター試験出願、公募制推薦指導と進路指導部が忙しい時期です。大学の入試担当者にも一考願いたい問題です。
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プロフィール

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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