合格した君たちへ

2011/03/24 Thu (No.281)

 今日は合格発表の日でした。高い倍率で合格するかどうか不安だったひと、定員に満たなかったため合格するのが最初からわかっていたひと、さまざまです。ともかく、合格おめでとうございます。

 高校に入ってやりたいことがいっぱいあると思います。ぜひクラブには参加してください。今日の午後からの合格者登校では、たくさんのビラをもらい、たくさんのクラブから勧誘されたことと思います。中学校のクラブ活動とは異なって、高校では、自分たちで自主的に活動できることがたくさんあります。クラブ活動を通して培った仲間との連携や、目標に向かって進んでいこうとする努力は、自分を形作っていく上での大きな力になります。高校卒業後の進路に関しても、なにか夢中になることのできた生徒は、集中力を発揮して物事に取り組むことができます。

 勉強も大切です。中学校とは異なって、高校では留年という制度があります。所定の成績を修めることができなければ、もう一度同じ学年を繰り返さなければなりません。また、高校から大学・短大・専門学校への進学に使用される調査書には、高校1年から3年までのすべての成績が記載されます。高校3年でがんばる、では遅いのです。低空飛行でぎりぎり進級していると、指定校推薦を受けられないどころか、公募制推薦(一般推薦)の基準にも達しないかもしれません。

 運動をしている人には、よく理解できると思いますが、勉強でも持続が大切です。毎日少しずつでも勉強している人は、それが習慣となって、やがてそれほど苦しくなくなります。週末にまとめて予習復習するのではなく、ウイークデーに少しずつ、しかし、たゆまず続けてください。2時間勉強できれば理想的ですが、1時間でも仕方がないでしょう。毎日、午後9時から10時までは勉強の時間と決めるとよいと思います。

 運動部に入部する人は、最初の数ヶ月間はとてもしんどいです。中学校と練習時間も量も違います。担任をしていたころは、6月の保護者懇談の席で、保護者の方から、よく、疲れて家では寝てばかりだ、という相談を受けました。保護者の皆さん、どうぞ夏休みの終わりごろまで見守ってあげてください。体も一回り大きくなり、体力もついてきます。クラブと勉強の両立は可能です。理由にもよりますが、クラブをやめるようでは、やがて勉強もやめる場合が多いように感じます。

 合格者の皆さん、高校生となった今、君たちが思ったこと、考えた夢を大切にしてください。若いときは一度しかありません。失敗してもかまわない。挑戦しないより、若いときに挑戦して失敗したほうがダメージは少ないし、君たちの糧とになります。自分がしたいと思うことにどうぞチャレンジしてください。
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無理して高校にはいると

2011/03/23 Wed (No.280)

 定員割れの学校では、どんな不都合が起こるのでしょうか。すべての受験生が合格できるので別に問題がないように思われます。保護者は、空きがあれば、できるだけ偏差値の高い高校に自分の子どもを入学させたいと考えるのは当然です。そのため、志願者中間発表で定員が割れそうな高校のうち、たとえ、入学後勉強について行けなくなりそうだとしても、一番レベルの高い高校に出願しようと思います。そして出願しさえすれば、合格します。

 生徒は、親の思いとは別に、自分の実力がわかっています。勉強が嫌いな生徒が、急に勉強好きになるはずがないので、友達も多い自分のレベルにあった学校に行こうと考えています。しかし、親の願いに負けて高いレベルの高校に願書を出すかも知れません。

 このような生徒が、レベルのあわない高校に進学したらどのような事態が待ち受けているのでしょうか。3月の合格者登校のさいに春休みの宿題を渡されます。宿題は、その高校の標準的なレベルの受験者に合わせて作られているので、難しくて手が出ません。入学式が終わるとすぐ宿題テストです。自分の隣の席に座っている生徒ができているのに自分にはさっぱりわかりません。最初に挫折感を味わう瞬間です。高校では、授業中も静かです。中学校の時のようにふざけることはできません。また中学校にはいろいろな生徒がいたので、自分もその中に居場所を見つけることができたのですが、同じような学力をもつ生徒が集まっている高校では、居場所を見つけることが困難です。だんだんと授業がわからなくなり、投げやりになってきます。担任は個人懇談をおこなったり、学習指導をおこなったりするのですが、生徒のほうがあきらめてしまうことも多いです。友達と同じ高校にしておけば、一緒に遊び回ってるのになあと思っても、あとの祭りです。がんばる習慣がついてないので、なかなかがんばれません。中間テスト、期末テストと進むにつれて、ほかの生徒との学力差は開いてきます。欠点者にはもちろん個別指導をおこなうのですが、本人のやる気がなければ、身に付きません。

 本人にとっても高校にとっても、残念な事態です。高校は単位を修得できなければ、留年となります。留年する生徒で、翌年も同じ高校で続けようとするものの割合は多くありません。最悪の場合は、挫折感だけを味わって転学していくこととなります。

 もちろんすべての生徒が、このような経過をたどる訳ではありません。高校で人が変わったように努力して、優秀な成績を修める生徒もいます。低学力ながらも何とか必死について行こうとし、すくなくともノートや提出物をきちんと仕上げて、平常点を積み重ねて及第していく生徒もいます。また部活動に居場所を見いだし、遅くまで学校で活動している生徒もいます。
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学区の改変と文理学科の新設

2011/03/22 Tue (No.279)

 1970年日本中が大阪万博の開催に酔いしれていたころ、大阪では、大阪空港周辺での騒音、臨海部でのぜんそく、都市部での光化学スモッグと、まさに汚染都市の様相でした。わたしの通学していた高校も、例にもれず毎日のように光化学スモッグ注意報の黄旗が校庭に上がっていました。大阪で初の革新知事が誕生したのはその翌年です。

 千里ニュータウンや泉北ニュータウンの完成によって大阪府の人口も増加傾向にあり、知事の方針もあって、新しい高校の開設は毎年のように行われました。大阪の衛星都市の名前を冠した高校は、地域住民の期待を担ってそのころに開設されたものが多く、地域の中学校も新しく開設された地元の高校に優秀な生徒を送ってくれていました。それらの高校は、旧制中学上がりの高校のようにトップ進学校にはなりませんでしたが、地方衛星都市の核となり、学校行事やクラブ活動などを通じて地域の人々との交流を深めていました。地域の人々も地元の高校を温かく見守り、育てていこうとする気質がありました。当時は大阪府の学区は9学区に分かれており、自分の居住する学区の高校にしか進学できなかったので、地域と高校のつながりには密接だったのです。

 ところが2007年、9学区制が4学区制に統合されることになりました。学区が広がるということは、学区に含まれる学校数が増加するということで、学力によって輪切りにされていた輪の厚さが薄くなり、高校間でますます学力格差が広がることを意味します。それとともに、学区が広がった結果、都心に通学したいという高校生のニーズがかなえられることになり、大阪府周縁部にある高校の進学希望者が減少します。また都心の学校でも今まで通学区域ではなかった地域からの生徒が増加することによって、地元とのつながりを失っていきます。学区の改変は、進学校と非進学校の二重構造をより鮮明化させます。今年からは、全学区から受験できる文理学科の新設がこの傾向に追い討ちをかけました。このようなここ数年の公立高校をめぐる政策は、教育を二極分化させるとしか思えません。わたしたち現場の教師が何年もかけて培ってきた努力を、教育の素人によって、いわゆる「鶴の一声」で踏みにじられる思いです。

 先日、わたしの学校の吹奏楽部の定期演奏会が、市民ホールで開催されました。わたしも聞きにいきました。生徒たちは、OBもまじえてすばらしい演奏を披露してくれました。部長は挨拶の中で、市民に助けられて今のような演奏会が続けられてきたことに、お礼を述べていました。かれらは、だんだんとあやしくなっては来ていますが、自分である程度自主的に行動できる生徒たちです。しかし、やがて、受難の時代が来るかもしれません。母校に対して誇りを持っている今の生徒や卒業生も、やがて、「なんや君のところは、進学特色校とは違うんか、あかんな」と言われるかもしれません。

 人を植えるは百年の計といいます。教育に競争原理を持ち込み、人を育てていこうしない教育は、10年後、20年後には必ず禍根を残すことになります。橋下知事はそのことの責任を取れるのでしょうか。
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ドイツでの原発風評

2011/03/21 Mon (No.278)

 多くの被災者を出した東日本大地震も少しずつ救援体制が整ってきているようです。あらためて、なくなられた方々のご冥福と、被災された方々のご無事をお祈りいたします。

 海外メディアの地震と津波についての報道も落ち着いてきて、トップニュースはリビア空爆に移っています。ドイツは安定陸塊の上に立地しているので、津波や地震はなく、ドイツでは、地震よりも原発事故のほうがセンセーショナルに報道されました。地震発生後、多くのドイツの友人から安否を気遣うメールをいただきましたが、なかには、「これは、チェルノブイリの4倍の大事故だ」と書いてあるものもありました。日本でも最初のうちは、真実が隠され、1号機が爆発した後も、何年も前の福島原発の映像ばかりが放映され、実際はどうなっているのかで、一般人には把握できない状況が続きました。

 この爆発はドイツでは普通に放映され、肝心の日本からの詳しい情報がなかったので、チェルノブイリの記憶に基づいて、憶測で「炉心爆発」のように誤解した人も多かったようです。そして誤解は今でも続いています。あたかも、放射性物質がドイツにまで飛来するかのような風評です。今朝届いたメールでは、ドイツの薬局ではヨード剤が売れに売れ、放射能測定器は在庫がなくなったとのことです。

 正確な情報を提供することは、非常に重要なことです。日本では、16日にNHKで「緊急報告 福島原発」が放映されたころから、原発についての事実を正しく報道する姿勢が見られます。現在では、各都道府県での一時間ごとの放射能の量も発表されています。

http://www.mext.go.jp.cache.yimg.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303723.htm 

 これを見る限り、現時点では、健康にほとんど影響がないことがわかります。

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大阪府立高校二次募集

2011/03/20 Sun (No.277)

 大阪府立高校の合格発表は3月24日です。受験者のほとんどの人は、私立高校を併願で合格していると思いますが、私立高校も不合格で、公立高校の二次募集を受験する場合についてお知らせします。

 二次募集は翌日3月25日です。午前9時から12時までの間に入学志願書と受験料2200円を持参して二次募集の志望校に出願します。学力検査は実施せず、出願時に面接をおこないます。合否は調査書と面接との総合判断でおこないます。合格発表は全日制の場合は、3月29日午前10時です。

 今年は、多くの高校で定員割れをしているという異常事態です。ですから、二次募集をおこなう高校も多いです。二次募集があるからといって、自分の実力とかけ離れたレベルの高校に出願するのはお勧めしません。自分の実力より離れて低いレベルの学校では、授業に物足りなさを覚えます。また自分のレベルより離れて高いレベルの学校では、授業について行けなくて留年する危険を伴います。
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後期試験合格発表

2011/03/19 Sat (No.276)

 大阪府の公立高校では、16日の後期試験のあと、24日の発表に向けての準備が続いています。昔は、試験から発表までの日数はもっと短く、試験終了後すぐに採点を行っていましたが、現在はミスを避けるため複数のシステムでじっくりと時間をかけて何度も何度も点検しながら作業を行います。

 さて、国公立大学の後期試験の合格発表が明日から始まります。被災地の大学ではセンター試験の成績で合否を判定したところが大半です。最初試験を実施する予定の東北大学も、後期試験を取りやめ、センター試験と調査書で合否を決定します。試験を実施する予定だったそれ以外の大学でも、後期試験は中止となっています。試験を実施するのは群馬大(医)と千葉大(医)だけのようです。

 発表日も当初予定より延期されたところもあります。また、多くの大学で入学式の中止が決定されています。くわしくは、次のパスナビのページから各大学のホームページでごらんください。
パスナビ「地震による各大学の対応について」


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短大から大学への編入学

2011/03/18 Fri (No.274)

 大学と短大との併設校を受験して、短大には合格したが、大学には合格できなかった人もいるかと思います。昔は、伝統のある短大は人気があり、大企業などからも多くの求人がありました。しかし、今は、短大は人気薄で、大企業からの求人は4年制大学にシフトしています。関西でも同志社女子大や京都女子大の短大部はなくなりました。

 先月、大阪女学院短大の先生が見えられ、少し話をさせていただきました。大阪女学院短大というと、20年以上も前には、産近甲龍などよりも遙かに難しく、関関同立に合格した生徒が大阪女学院短大に落ちるということもありました。その先生のおっしゃるには、最近では女子の短大の人気が落ちてきて、短大の学生のなかで4年制大学に編入を希望するものが増えてきているということです。そのため大阪女学院短大には、有名大学も含めて編入のための指定校が何校かあるそうです。編入学した大学のリストも見せていただいたのですが、指定校以外にも試験を突破して合格した国公立大学の名前もありました。わたしは、数年前、大阪女学院大学と大阪女学院短大の英語の授業を見学に行ったことがあります。授業にもよるのでしょうが、そのときは短大の授業のほうが少人数で活気があったように思います。

 どこの短大でも、最近は編入学も進路の選択枝の一つとなっています。とくに系列大学への編入学は普通におこなわれているようです。ですから、不本意ながら短大に進学することになった人も、短大で勉強に励んで大学に進学するという道も考えられます。
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プロフィール

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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