大学に進学しない生徒の割合

2010/10/31 Sun (No.132)

 昨日のブログでも書きましたが、6割以上の高校生が、大学・短大を志望し、その9割以上が合格する時代になっています。しかし大学進学を希望しない高校生が4割弱見られます。それらの生徒はどのように考えているのでしょうか。

 最底辺層の高校生は、勉強するのも学校斡旋で正社員として就職するのもいやがります。学校斡旋で就職するためには、20回程度の就職指導があり、そこで採用試験のための勉強や服装指導、面接指導があります。それが「うっとうしく、めんどくさい」のです。しかし、彼らも携帯代や服飾費を得るために、アルバイトはしています。「あわよくば、そのまま正社員になれるかな」と考えている生徒もいるし、責任がかかるのはいやなので、「このままフリーターでいこかな」と考えている生徒もいます。かれらにとって、どんなことであれ、学校からの働きかけは、「ウザい」のです。

 大阪では平均して5~10%程度の生徒が、学校斡旋就職を考えています。この率は高校によって著しい差があり、進学校では0~1%、下位の高校では20~30%くらいになります。学校斡旋就職を希望する生徒はさまざまです。勉強が嫌いで生活態度も良くない生徒がいるかと思えば、まじめでこつこつ努力する生徒もいます。まじめな生徒のなかには、家庭の経済状況が苦しくて就職せざるをえない事情を抱えた生徒や、早く自立したいと考えている生徒たちが含まれます。

 残りの生徒は、専門学校を目指します。専門学校に進学する生徒の割合は、2004年をピークに減少の一途をたどっていました。しかし、リーマンショック以降、高卒の就職率の減少を補完するように増加しています。学校斡旋就職に失敗して専門学校に進学するもの、大学よりいくらかは学費の低い専門学校に進路変更するものなどが出てきました。専門学校で人気のあるのは、看護・医療系、調理・製菓系、理美容系、自動車整備などです。これらの分野を希望する生徒は、昔も今も一定の割合で存在し、専門学校に進学するメリットもあります。上記以外の分野では、経済状況が好転すると、再び進学率が下降していくものと考えています。

 おもしろいことにリーマンショック以降も、8月13日のブログのグラフのように大学進学率は漸増しています。代々木ゼミナールが予測しているようにこれからも増加すると思います。経済状況が回復すれば、2004年からの大学・短大進学率の上昇のように、今まで以上の割合で増加する可能性もあります。大学に進学することによって、投資以上の経済効果が得られる可能性が高いからです。
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大学・短大の進学率の推移

2010/10/30 Sat (No.130)

 ここ数年、大学入試はひじょうに簡単になってきました。それでは、どれくらい合格しやすくなっているかをあらわしたのが、下の表です。(出典 代ゼミデータリサーチNo.2)

大学・短大進学状況
 今年の入試結果である2010年のところをみると、高卒者は107万人で、そのうち約62%の者が大学・短大進学を希望し、浪人もあわせた大学・短大進学希望者のうち92.5%のものが、進学できていることをあらわしています。すなわち、進学希望のものの9割以上は、大学・短大に進学できるということです。

 2011年以降は、実数がありませんので、予測値をあらわしていますが、5年後には、高卒者の6割以上が大学・短大に進学する時代になると思われます。
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就職試験とAO入試

2010/10/29 Fri (No.131)

 今日は、悪い知らせといい知らせがありました。

 悪い知らせとは、就職試験の不採用通知が来たことです。就職試験の合否通知は封書で送られてきますが、不採用の場合は調査書と履歴書が返送されてきます。そのため不採用の場合は、A4判の大きな封筒で送られてくることがほとんどです。今日、応募先から送られてきた封筒は、定形郵便の小さな封筒でした。そのため、合格しているとは早合点したのですが、なかから出てきたのは、不採用通知と三つ折された応募書類でした。

 その生徒は、経済事情の急変によって就職せざるをえなくなった生徒で、本来なら関関同立に合格する学力を持っている生徒でした。就職は、学力だけではなくいろいろな要素がからんできます。倍率が高かったとはいえ、残念な結果となりました。早速きょうWEB求人で次の就職先を検索しました。

 いい知らせというのは、ブログでも触れましたが、先日来、面接練習をしていた生徒が、立命館のAO入試に合格しました。きょう、お世話になった先生方のところに報告に来ました。関学のAOで合格した生徒もいます。今年は、7月に校内で、関関同立のAO入試説明会を行ったのですが、その成果がでたのかもしれません。
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難易度別センター試験問題

2010/10/28 Thu (No.129)

 10月25日の朝日新聞に、大学入試センター試験を難易度別に2種類作成することが検討されている、という記事が出ていました。センター試験の問題は、平均60点水準で作られているが、成績分布のグラフが上位と下位の二つの山になっている科目もあり、受験生の学力格差が広がる兆候が表れてきているというのが理由だそうです。

 確かに、大学が二極分化している現状では、有名大学をめざして勉強をしている受験生と、アルバイトと遊びに明け暮れている受験生とでは、その実力は全く異なります。しかし、だからといって2種類の問題が必要でしょうか。

 旧帝大に代表される難関大学では、はじめから、センターテストの成績などあてにしていません。センター試験の得点と2次試験の得点とは相関関係があるといっても、2次試験の問題はセンター試験より難しく、またその配点もセンター試験の配点より遙かに高いため、受験生の合否は2次試験のできによって決まります。ですから、たとえセンターテストで85%の得点をとっていようと、そのことが直接合否に結びつくわけではありません。難易度の高い問題をセンターテストで出題することによって受験生のセンターテストの得点に差がついたとしても、現在のように2次重視の入試をしている限りは、それほど意味がないことだと思います。また大学も他大学との差別化を行うためにも、2次重視の方向は変えないだろうと思います。

 これに対して、下位グループの私立大学の入学試験は、高校入試か高校1年生程度の問題ですので、これらの受験生が現在のセンター試験を受験したとしても、1割から2割くらいしか得点できないと思われます。そこでこれらの受験生のために平易な問題をつくるという発想があるのかも知れません。しかし、このグループの受験は、ほとんどAO入試か指定校推薦入試、少し頑張った生徒がいても1科目だけの推薦入試です。ですから、平易なセンター試験の問題をつくっても、同じ問題を何度も使用できるわけではありませんので、それを1月に実施するとしたら、需要がそれほど多いとは思われません。

 2種類の問題をつくることは、労多くして実りが少ないような気がします。
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奈良時代からあった奈良漬け

2010/10/27 Wed (No.128)

 平城宮跡会場には、「奈良の味館」という土産物売り場があり、無料のシャトルバスを待つ間にのぞいてみました。そこでわたしたちが買ったのは、「山崎屋」の奈良漬けです。「平城宮跡資料館」にも展示がありましたが、奈良漬けは、奈良時代から「かす漬」として食べられてきたそうです。酒造りが盛んになった室町時代には、南都諸白(奈良の酒)の酒粕でつくる「かす漬」が奈良漬けと呼ばれるようになったとのことです。
 
 奈良漬けには塩分とともにアルコール分も含まれています。「夏の野菜は腐りやすく、奈良漬にすることで長期保存が可能になりました」と山崎屋のパンフレットに書かれています。それで、奈良漬けに、夏野菜の「うり」や「きゅうり」や「なす」が多く、「大根」や「白菜」がない理由がわかりました。

 ところで皆さんは、奈良漬けが完成するまでに何ヶ月かかるかご存じですか。わたしは、1~2ヶ月くらいだと思っていました。しかし、完成までじつに1年半から3年かかるということです。「うり」だと1年から1年半、「西瓜」で2年から3年漬け込むそうです。まず3ヶ月から1年のあいだ塩漬けにした野菜を、「酒粕」に1~6ヶ月間につけます。これを下漬と呼ぶそうです。このあと少し違った「酒粕」に2~3ヶ月つけ込み、そのあと塩分を抜いて、みりんや砂糖などで調味された酒粕に1~2ヶ月つけます。このつけ込みを上漬といいます。そして、最後に上漬のとは異なる「調味粕」に1~2ヶ月漬け込んで完成となるそうです。完成した奈良漬けは塩分4%、アルコール分5%に調整されているとのことです。奈良漬けにこれほど手間がかかっているとは思ってもみなかったです。

 売られている奈良漬けには、いろいろな種類がありますが、わたしが一番好きなのは、「きざみ奈良漬け」です。これは、小さくきざんだ奈良漬けのきざみはしを酒粕と一緒に食べるもので、酒粕のうまみと甘みも同時に味わうことができます。いろいろな野菜がはいっており、ご飯のおかずにも、日本酒のあてにももってこいです。すがたの整った「うり」や「西瓜」の一本漬けと違って値段が安いのも魅力です。奈良に行くとたいてい「奈良漬け」、京都に行くとたいてい「しば漬け」か「生八つ橋」を買って帰ります。
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進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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