学生支援機構の給付型奨学金の選考基準

2017/05/15 Mon (No.1624)

 勤務先の異動があり、長らく更新していませんでした。

 日本学生支援機構により、新しく給付型の予約奨学金が始まります。対象は、来年度、大学、短期大学、専修学校(専門課程)に進学を予定している人で、住民税非課税世帯の人、または、18歳時点で児童養護施設、児童自立支援施設などに入所している人若しくは入所していた人、もしくは18歳時点で里親、ファミリーホーム委託者のもとで養育されている人です。2浪まで申し込めます。

 給付額は国公立の自宅通学者で月額2万円、自宅外通学者で月額3万円、私立の自宅通学者で月額3万円、自宅外通学者で月額4万円となっています。

 各高校に対して割り当て人数があり、全国で2万人程度とのことだったので、それほど期待はしていなかったのですが、大阪の進学校で5名から10名程度、中堅校で15名程度の割り当てがあるようです。この割り当て人数は、過去に奨学金を貸与されたもののうち、非課税相当とされる人数から勘案しているようです。

 1名から3名程度の割り当てを予想していた高校がほとんどなので、選考基準の作成に追われています。選考基準の例として学生支援機構は、A:選考対象の中から学力・資質の状況と家計の状況を総合的に勘案して選考するもの、B:選考対象の中から学力・資質の状況を重視して選考するもの、C:選考対象の中から家計の状況を重視して選考するものをあげていますが、具体的基準は各高校に任されています。

 いずれにせよ、選考された者が納得できる客観的基準が必要なので、その基準の作成に各高校とも苦慮しているのが現状です。

学生支援機構給付型奨学金の新設

2017/01/30 Mon (No.1585)

 日本学生支援機構から2017年度以降の奨学金事業新制度についてのお知らせが送られてきました。具体的には「給付型奨学金の創設」「第1種奨学金の拡充」「新所得連動返還型奨学金制度の導入」の3点があるのですが、今日は「給付型奨学金の創設」についてお知らせします。

 給付型奨学金については、とくに高校3年生に対しても周知するようにとの案内がありますので、ここで皆さんに公開することも可能だと思います。まず対象者ですが、①住民税非課税世帯の生徒、②社会的養護が必要な生徒(児童養護施設や里親などのもとで生活している生徒)の2つに分けられています。それぞれの場合について説明します。

 ①については、保護者の両方が住民税非課税の世帯の生徒であり、かつ2017年度に「私立」の大学・短大・高等専門学校(4年次)・専門学校に進学し、「自宅外」からの通学となる場合で、さらに学力・資質基準として各学校の教育目標に照らして、十分に満足できる高い学習成績を収めている場合となります。

 ②については、2017年度に「国公私立」の大学・短大・高等専門学校(4年次)・専門学校に進学する場合で、さらに学力・資質基準として、特定の分野において特に優れた資質能力を有し、大学等への進学後、特に優れた学習成績を修める見込みがあるか、または、大学等における学修に意欲があり、大学等への進学後、特に優れた学習成績を修める見込みがあることが条件となっています。

 給付額は、①の場合は月額4万円、②の場合はそれに加えて入学金相当額として24万円を追加給付します。ただし国公立に通う場合は月額3万円となり、さらに国立で授業料減免のある場合は減額予定となります。

 申請については、高校在学中に申請の手続きは必要ありません。大学等に進学後、進学先の学校を通じて申請することを予定しているとあります。申請の際には、高等学校等からの推薦書及び成績表の提出を求めることが予定されています。

 ①の場合の成績基準についての明言はないものの、別紙Q&Aのなかで、調査書の成績概評が「A」段階(4.3以上)を想定しているとあります。いずれにせよ、不明な点は、日本学生支援機構のホームページを確認してほしいとのことです。

 給付型奨学金は、奨学金のあるべき姿であり、実現されることは喜ばしいことなのですが、給付にあたってまだまだ制限が多く、金銭的な理由によって進学ができないものが、より安心して進学できるシステムを構築してもらいたいと考えています。

日本学生支援機構奨学生採用候補者が決定されました

2016/11/29 Tue (No.1561)

 先週末、日本学生支援機構から第一次の「奨学生採用候補者」の決定通知と関係書類が送られてきました。早速担任の先生から各生徒に、必要書類が同封された封筒を配ってもらいました。生徒の申し込み区分、採否の状態、入学時特別増額貸与奨学金の有無によって、同封されている書類は異なります。

 いずれも貸与は上級学校への進学後となります。奨学金を必要とする場合は、進学先に「進学届」を提出することが必要です。逆に奨学金を必要としない場合は、「進学届」を提出しなければ辞退として取り扱われます。入学時特別増額貸与奨学金のみ不要な場合も、「進学届」を出す際に手続が可能です。

 貸与月額、特別増額貸与奨学金の額、奨学金振込口座、保証制度、利率の算定方式は、「進学届」を出すときに変更が可能です。また今回不採用であった場合も、進学後、あらたに奨学金を申し込むことも可能です。

 今年は、奨学金採用候補者決定の過程で、第一種奨学金の採用枠の拡大があったため、決定の時期が1か月ずれ込み、その間に生徒から採否について何度も質問を受けました。

第一種奨学金より給付型奨学金を

2016/11/02 Wed (No.1554)

 昨日お知らせしたように、日本学生支援機構は低所得世帯の生徒に無利子の奨学金枠を拡大し、評定平均の縛りを撤廃しました。対象者は、「大学等への進学後、特に優れた学習成績を修める見込みがあること」となっていますが、別の文面では「例えば評定平均値が『2.0』の者も含まれます」とあります。

 評定平均値2.0といえば、修得できなかった単位を有する生徒が大半です。ほとんどの高校では、普通に出席し普通に勉強していれば、未修得となることはありません。たとえ定期テストの成績が振るわなくても平常点でカバーできます。評定平均値2.0には、大学や専門学校に進学して、継続して学習を続けていけるかどうか心配な生徒も含まれます。進学先を卒業後、安定して仕事を続けていくことができないかもしれません。そのような生徒でも、住民税が非課税であって、申し出があれば、第一種奨学生として推薦することになります。第一種奨学枠が拡大されることは好ましいとは思いますが、無利子ではあるものの、ローンには変わりありません。将来の奨学金返済を考えるとき、少し複雑な思いは残ります。

 本来、奨学金は成績優秀であるにもかかわらず、経済的事情で進学が困難な生徒に「給付」されるべきものだと考えます。現在の奨学金制度と並行して、例えば評定平均が4.5以上ある生徒に対しては、「志望理由書」なども添付させたうえで、月額3~5万円を「給付」するというような制度の実現は困難なのでしょうか。

第一種奨学金(特別枠)の追加募集

2016/11/01 Tue (No.1553)

 日本学生支援機構から、10月28日付で第一種予約奨学金(無利子)の追加推薦の依頼が送られてきました。それによると、低所得世帯の生徒については、第一種奨学金の「評定平均値3.5」という学力基準を撤廃し、追加の推薦を受け付けるというものです。

 推薦できる生徒は、生計を維持するもの(2人いる場合は2人とも)の住民税(所得割)が非課税(0円)であることが絶対条件です。このうえで、今まで予約奨学金を全く申し込んでいない生徒(新規申込者)か、あるいは、第1回の募集において第二種奨学金のみ申し込んでいる生徒が対象となります。

 新規申込者の場合は、新たに、「住民税非課税証明書」と「第一種奨学金(特別枠)申込・推薦書」が必要です。それ以外は第1回募集と同様に「確認書兼同意書」「収入に関する証明書」を用意して、「スカラネット」を通じて申し込みます。

 第1回の募集で第二種奨学金のみ申し込んだ生徒には、まだ決定通知が来ていませんが、第一種奨学金を希望する場合は、学校に決定通知が到着後、「住民税非課税証明書」と「第一種奨学金(特別枠)申込・推薦書」の提出が必要です。この場合は、新たな「スカラネット」入力は必要ありません。

 いずれの場合も、候補者決定時期は2月下旬となります。また今回の第一種奨学金の追加申し込みは、低所得世帯の生徒への対応であり、住民税非課税世帯であることが絶対条件です。第一種奨学金について、すべての生徒の学力基準を緩和するものではないことに注意してください。

 募集時期については、推薦期間内でそれぞれの高校で独自に設定することになりますので、高校からの連絡に注意しておいてください。


プロフィール

進路ルーム

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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