満開の梅の花

2015/03/09 Mon (No.1460)

 今日は大阪府立高校後期入試の出願受付初日です。初日の出願状況はまたお伝えすることにして、昨日は、梅で有名な寺院に行ってきました。

 梅の花が満開です。どこに梅園があるか見えなくとも、梅の香りが漂ってきて、そのありかを教えてくれます。今年は、とくにふくいくとした香りが高いように感じます。多くの樹で一斉に開花しているので、そう感じるのかもしれません。

 蜜を吸うために、メジロたちも集まっています。目には見えなくても、メジロの鳴き声が、梅の香りとともに聞こえてきます。夕暮近くになっても、梅の白い花は、明るさを保っています。

「梅の花匂ふ春べはくらぶ山やみに越ゆれどしるくぞありける」 古今和歌集

記事数が1000を越えました

2013/02/25 Mon (No.1001)

 このつたないブログに書きとめてきた記事もいつのまにかNo.1000を越えました。途中で書き直したり、ボツになった記事もあるので、実際の記事は1000より少ない数だと思います。いつも同じことを繰り返して書いているみたいで進展もなく、参考にならないことも多いかと思いますが、3年近く続けてこられたのも、読者の皆さまのおかげです。

 これからもしばらくは脈絡もなく思いつくままに書いてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

光の春

2013/02/18 Mon (No.994)

 今年の冬はことのほか厳しく、気温の低い日が続いています。それでも時折、春を思い起こさせる穏やかな日があったりして、もうすぐそこまで春が来ていることを感じます。朝の日差しは冬の日と違って輝いて見えます。

 いつもより2週間ほど遅いのですが、わたしの家の庭の梅もつぼみを膨らませ始めました。年によって、花や果実の数に違いがあっても、毎年、花を咲かせ実をつけてくれます。少しずつ老木になっていきますので、今年はもはや20kgの果実は収穫できないだろうと思います。

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 とはいえ、光の春です。新しいつぼみが春が近いことを知らせてくれます。

あっという間の1年間

2013/01/31 Thu (No.976)

 3年生の最後の授業も終わり、いよいよ学年末テストの時期になりました。あっという間の1年間だったと感じます。陽の当たる冬の教室で試験監督をしながら生徒たちをながめていると、指定校推薦で早々と合格を決めたもの、公募制推薦で苦労したもの、これから試験を受けなければいけないもの、いろいろな生徒がいます。わたし自身、進路ガイダンスでしゃべったり、小論文を添削したり、面接の練習をしたりした日々を思い起こします。

 学年末テストが終わると、いよいよ一般入試が始まります。生徒たちも卒業式前日まで登校してきません。そしてあと1ヶ月で3年生も卒業です。毎年毎年、同じようなことを繰り返しているのですが、生徒たちが入れ替わるので、毎年毎年思いは新たになります。

二重の虹

2012/08/31 Fri (No.818)

 今日の夕方、空一面が掻き曇り、沛然とした驟雨となりました。あまつさえ雷鳴が響き渡ります。近くで落雷もあるようです。一秒にも満たない停電も、幾度かあります。部活動や文化祭準備を終えて、まさに帰宅しようとしている生徒たちも、この雷雨の中をさすがに校舎から出ることはできません。非日常的ともいえる体験の中で、生徒たちは興奮して教室や下足室で騒いでいます。

 しかし、小一時間もしないうちに、雷は遠のき雨も小降りになってきました。雨宿りをしていた生徒たちが東の空を見上げています。生徒たちの見遣る方向を眺めると、そこには虹。夕日を映して、途中で途切れることなく全天にかかる七色の円弧が見えます。鮮やかでくっきりとした虹です。そしてその虹の外側には、もうひとつの薄い虹が見えます。この虹は天頂に近づくにつれて、かすかにほのかに消えていきます。このような二重の虹を見たのははじめてです。生徒たちの中にはスマートフォンで撮影しているものもいます。わたしも、机の引き出しからデジカメをとりだし、生徒にまじって、自然のもたらす造化の妙を撮影しました。

追記 そして夜には月。
 庭の面はまだ乾かぬに夕立の空さりげなく澄める月かな 従三位頼政

Der bestirnte Himmel

2012/07/31 Tue (No.787)

 夏休みが始まって7月下旬までは、わたしの高校では合宿を実施するクラブも多く、朝、学校に来ると合宿に出かけるバスがよく止まっていました。

 わたしは、最近は合宿を行うクラブの顧問をしたことがなく、長い間合宿について行っていません。しかし若い頃は、8月初めには必ず合宿を行い、生徒達をつれていろいろなところにいきました。今ではインターネットや携帯電話の普及で人気がありませんが、かつては高校生の間で盛んであったアマチュア無線部の顧問だったのです。夏になると交信局数を競う全国コンテストがあり、見晴らしのよい山の上に無線機やアンテナを設置して、テントから、昼夜を徹して、いろんな相手と交信します。車で山頂まで登れるところだといいのですが、そうでない場合は、テント、食料は言うに及ばす、無線機、アンテナ、発電機など山岳部以上の装備を担いで登らなければなりません。文化部ではあっても、このときだけは運動部なみの力が必要です。

 大阪府下の山はもちろん、和歌山県や四国まで出かけたこともあります。夜は当然交信に追われて寝ることはできません。しかし少しテントから離れて、夜空を見上げればそこは満天の星、カントが「つねに新たに高まりくる感嘆と畏敬をもって(mit immer neuer und zunehmender Bewunderung und Ehrfurcht)精神を満たすもの」、すなわち、「わたしの上なる星を散りばめた天空(der bestirnte Himmel über mir)」が輝いているのです。そしてこの星空の下にある電離層で反射しながら、わたしたちの電波は遠くまで届くのです。

 もはやアマチュア無線部をもつ高校は、ほとんどなくなり、パソコンやインターネットの世界となりました。しかし無線機を使った古くさい交信の日々は、わたしにとっても懐かしい思い出です。

夜桜

2012/04/12 Thu (No.675)

 昨日の雨で少し桜も散ってしまいました。8日の日曜日、家内と一緒に近くの植物園に夜桜見物に行ってきました。夕方から桜がライトアップされています。ちょうど6分咲きくらいで白い花びらがライトに映えて美しかったです。

夜桜

 桜は美しいと思いますが、それほど好きな花ではありません。桜のなかでも一番人気があるのが「ソメイヨシノ」。全国どこでも桜といえば「ソメイヨシノ」がポピュラーです。日本全国の人が「ソメイヨシノ」を愛でる。それはそれでよいのですが、わたしは、「ソメイヨシノ」にこそ「日本の心」が宿っているのだよ、と強要されているような気がして何となく落ち着かないのです。一斉に花が開き、一斉に花弁を散らす。同一性と均質性。わたしたちは決して同一でも均質でもないのに、同一で均質であるかのようなイリュージョンを感じてしまうのかも知れません。

 日本にも、さまざまな人々が生活しており、さまざまな文化があります。文化の多様性を認めることが成熟した社会だとわたしは考えています。


プロフィール

Author:進路ルーム
京都の大学で大学・大学院と8年間を過ごし、高校の教師となりました。文系ですが、コンピュータ大好き人間。人間(生徒)に倦むと機械(コンピュータ)が恋しくなり、機械に倦むと人間が恋しくなります。

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